» 2007 » 3 月 » 29のブログ記事

七物降下湯は、マイルドな降圧剤としてよく知られている方剤です。
また、この方剤は“補血+補気+治風”薬の配合とみることもでき、内風によるめまいにも効果があると考えられます。
今回、めまいに対して著しい改善がみられた一例を紹介します。

77才 女性 出産歴なし 
併用薬:降圧剤(服用により正常血圧を保っている)
病歴:なし

2006.12.23
初見
主訴:めまい。半年前から発現。日常立ち仕事をしている時に、クラッと頭が回る感じがする。○○医科大学付属病院より、メリスロン・アデホスコーワが処方がされ3カ月服用するが、改善しない。目の乾きが気になる。
食欲:正常、二便:正常、舌質:痩・紅、舌苔:正常、脈象:細数。
睡眠:浅い。時にイライラする。
バリバリ精力的に仕事をこなすタイプ。
弁証:肝腎陰虚、虚火内生、陰虚生風
治法:補肝腎陰、以治風制火
方剤:こ菊地黄丸(エキス剤1日3包・1日3回)+レバコール

2007.3.12
前回処方薬を服用して3カ月が経過する。めまいの頻度が減少し、目の乾きも消失した。しかし狭い所に入ったり階段を昇降した時に足元がふらつくことがある。食欲正常。二便正常。睡眠は5時間位。その間は良く眠れている。疲れを感じることがあるが、周りからは良く動くねといわれる。大事な仕事が控えており、めまいが出ることに不安を感じている。
弁証:血虚生風・風揺上目
治法:滋陰養血、以治風
方剤:こ菊地黄丸合七物降下湯(エキス剤各1日2包・1日2回)
解説:18・12から比べて、症状は改善されている。今後引き続きこ菊地黄丸で肝腎陰を補い、七物降下湯で血気を補いかつ内風をおさえる。

2007.3.29
現在、めまいはほとんど消失した。元気に過ごしている

紫外線は気温が高くなるより、一歩早く強くなります。4月~9月は紫外線対策を意識しなければいけません。

紫外線による健康の害はシミやシワだけではありません。慢性的な紫外線暴露は白内障や皮膚癌をも引き起こします。
 慢性的な害:白内障・翼状片、シミ・シワ・皮膚癌
 急性的な害:雪目、日焼け、免疫力低下

紫外線による健康への害を防ぐには、紫外線を浴びないことが大切です。具体的には・・・
・長袖を着る
・帽子、日傘、サングラスを使う
・日焼け止め

紫外線には3種類あります。その内人体に関わるのは次の2つです。
・UVA:曇りでも地表に届きます。皮膚に及ぼす影響は弱いが、深く真皮までとどきます。シミ・シワの原因になります。
これに対する防御効果はPA+で表されます。
・UVB:曇りの日は減少します。皮膚の浅い部分までしかとどきませんが、強い影響を及ぼします。日焼けや皮膚癌の原因です。
これに対する防御効果はSPFで表されます。

日焼け止めを選ぶときは、目的にあわせたPA値、SPF値ものもを選びましょう。

紫外線は、わずか数分間浴びても肌はダメージを受けます。しかも、長年浴び続けることで“光老化”と呼ばれるシミ・シワ・たるみなどを引き起こします。
顔と比較して腿の内側やお尻などほとんど紫外線に当たらない部分は若い人の肌も歳をとった人の肌もそうかわらない状態です。

10年後の美しい肌のために、“毎日の紫外線対策”を積極的に行いましょう。

       ~薬剤師 鳥居薬局~