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人はだれでも老化します。ただ、毎日の工夫で老化を緩やかにすることもできます。老化を防ぐ大切な要素として、中医学では、腎精(=生命エネルギーのようなもの)を維持することが大切だと考えられています。

腎精とは、生まれたときに両親から授かった先天の精というものが基本となります。この先天の精には個人差があり、簡単にいってしまえば、先天の精が充分な人は元気で長生き、そうでない人はその逆ということになります。

では、寿命は生まれたときに決まってしまうのかというと、そんなことはありません。せっかく良い先天の精をもって生まれたとしても、不養生であれば早く消耗してしまいます。逆に生まれもった先天の精が少ない場合でも、養生によってそれをたすけることができます。

先天の精と合わせて、中医学には後天の精という考え方があります。後天の精は食べ物を消化吸収することで得られる栄養によって養われるもので、先天の精を支えると考えられています。

この大切な後天の精を養うためには、食べ物をきちんと消化吸収することが大切です。そのために大事なのが、漢方でいう『脾(=胃腸)』の働きです。脾が健やかであれば消化吸収が上手くいきます。すなわち、脾を大事にすることが、腎精をたすけ抗老化につながります。

脾を労わるためには、冷たい物を摂り過ぎず、胃腸を温め、お腹に負担のかからない食事を心掛けることが大切です。どなたにも、冷たい物や脂っぽいものを食べ過ぎてお腹の調子を崩した経験がおありかと思います。特に暑い夏は、冷たい飲み物を飲み過ぎて胃腸の調子が悪いという方が多いのではないでしょうか? 脾が消耗して消化不良が続くと、栄養が身体に取り込めず、気血が虚してしまい、後天の精が作られず、腎精を養うことができません。逆に、胃腸を温めながら、消化吸収が良く栄養バランスの取れた食事を摂っていれば、気血がしっかりと作られて、腎精をたすけ、老化を緩やかにすることも可能になります。

暑い夏が過ぎれば食欲の秋、その先の冬は人間の身体は寒い時期を乗り越えられるように栄養を蓄える収蔵の時期に入ります。今年の夏、胃腸を冷やしてしまいお腹の調子が良くないな~とお感じの方は、ちょっと気が早いようですが元気に来年の春を迎えられます様、お腹を温かくして、休ませて、胃腸を調えておかれるとよろしいと思います。

~薬剤師 鳥居英勝~

温病という漢方の用語を聞いたことがおありでしょうか?

温病とは、簡単にいうと「外から身体に熱が入り込んでおきる不調」のことです。今心配されている熱中症もこれにあたります。

このような場合、漢方薬が支えになります。身体にこもった熱を「清熱」しながら、熱で消耗した「津液=体液」を回復させてあげることで、回復が早まります。

猛暑の折り、暑さにふれて頭が痛い、ぼーっとする、身体の中が熱い。このような場合は、少しでも早く対応することがとても大切です。

~薬剤師 鳥居英勝~

急に気温が上がり、週末に今年初めて鼻炎や眼の痒みで辛い思いをされた方も多いと思います。

花粉の飛散量が多い日は、抗アレルギー剤を服用していても鼻炎に悩まされるものです。

この場合、漢方薬を合わせると楽に過ごせるかもしれません。

漢方では、症状の奥にある証を診てお身体に合ったお薬を決める必要があります。寒、熱、湿、花粉症ではこの辺りの見極めが重要になります。

自分で自分の証を特定するのは結構むずかしいものです。お困りのときはご相談いただければと思います。

花粉症の漢方薬で眠くなることはありませんので、受験生やドライバーさんにも安心です。

~薬剤師 鳥居英勝~

漢方薬は筋肉を保つ支えになります。

五臓六腑の『脾』は肌肉を司り、脾を強くする漢方製剤は筋肉を強くすると考えられています。

また、亀板・鹿茸・紅参・枸杞子の4味からなる漢方製剤(亀鹿二仙膠)には、マウスの実験で、筋肉細胞の代謝・タンパク質合成を高め筋肉量低下を防ぐことが確認されています。

80才以上では、女性で2人に1人、男性では3人に1人がサルコペニアに該当するとのこと。年を重ねたら筋肉量の維持に努めなければなりません。

良い筋肉を造り筋肉の収縮力を高めるためには、アミノ酸・カルシウム・鉄などの栄養素が必要です。近年、ω3系脂肪酸のEPAも筋力の維持に役立つことが分かっています。

これらの栄養素と漢方で、一生歩ける筋肉が維持できれば最高だなと思います。

~薬剤師 鳥居英勝~

はぐきが痛くてものが噛みにくい、口内炎を繰り返して食べる時に痛い、このような方におすすめしたい漢方薬があります。

豊心:四君子湯と四物湯を合わせた八珍湯をベースに、寒熱・痰湿など余分なものをさばく生薬を加味した処方構成。効能効果/歯ぎん炎(歯肉炎)、口内炎、食欲不振。

抵抗力を高めながら炎症と痛みをおさえてくれる製剤で、長く飲んでも安心なのが特徴です。

口腔内の環境が悪くなると十分に食べられなくなり、全身の体力の低下につながりかねません。お口の健康はフレイル対策の第一歩です。

元気で長生きはみんなの願い、食べ物からの栄養をしっかりと取り入れられるように、お口の中もていねいにケアーして参りましょう。

~薬剤師 鳥居英勝~

あいにくの雨の週明け、後になって今日あたりから梅雨入りだったということになりそうな週間天気予報です。

今朝のラジオで、このところ栄養剤の需要が増えていると経済のコメンテーターが話していました。

栄養剤の需要が増えている理由として、コロナ禍で体力が低下していることが考えられるそうです。先日ご紹介した、筋肉量が減っていて熱中症が増えていることとつながります。

自分で栄養剤を選ぶときに注意していることがあります。それは、結構な量のカフェインが入っているものは避けるということです。カフェインは頭をすっきりさせるのには良いのですが、血圧を上昇させる可能性があります。

そこで、私は漢方のものを選ぶようにしています。質の良い薬用人参、牛黄、遠志、蝦夷ウコギなどがバランスよく配合されていものを飲むと、心も身体も楽になるものです。

週明けで憂鬱な気持ちを吹き飛ばそうと栄養剤を飲む方もおられると思いますが、月曜日は1週間で一番脳血管疾患が多い曜日だそうです。アラフィフ以上の方はご注意ください。

~薬剤師 鳥居英勝~

今日から食料品や日用品など色々なものが値上げになるようです。今のところ当店ではお薬や健康食品で値段が変わるものはありません。ただ、原油や原料価格が高騰しているので今後影響が出てくるかも知れません。

さてもうすぐ梅雨入り。気温と湿度が上がり、食中毒に気を付けないといけない時期になってきました。

多少の原因菌がお腹に入ってきてもびくともしない腸内環境を調えておくことが一番ですが、漢方薬も支えになります。

牡蠣・黄連・黄柏といった生薬は各種食中毒菌を抑制し、桂皮・茴香はアニサキスの運動を抑制する作用があることが分かっています。

これらの生薬を配合した漢方の胃腸薬があり、生ものを食べる時やちょっと心配だなと思ったときに私は重宝しています。

~薬剤師 鳥居英勝~

朝夕は涼しく日中は猛暑、うちの店の棚にはオンパックスとヒアロンが上下に並べてあります。昨日は久しぶりに使うクーラーのカビ対策をしました。

ここ数日の暑さは梅雨入り前のいっときのことのようですが、暑さに身体が慣れていない時期ですので水分・クーラー・暑い時間は外に出ないなど熱中症対策は大切だと思います。

夏の暑さでボーッとしたり頭が痛くなった時には、私は黄連解毒湯と五苓散を飲むようにしています。

体の中にこもった熱がさばけて回復が早くなるので重宝しています。

~薬剤師 鳥居英勝~

どうしてツバメが低く飛ぶと雨が降ると思う?

⇒餌が低いところを飛ぶからじゃない?

ツバメが目線の高さを飛んでいるのを見て子どもと話したのは一昨日の夜のこと、そうしたら昨日はしっかりと雨が降りました。

ツバメの餌になる小さい虫は湿度が上昇すると羽が重くなって高く飛べなくなるそうです。 雨が降る前は自然と湿度が上がるので餌になる小さい虫は低いところを飛ぶ→それを食べようとツバメは低いところで捕食をする→だからツバメが低いところを飛ぶとその後雨が降る。 こういうことだそうです。

ツバメで思い出すのが高級食材で知られるツバメの巣。ツバメの巣は薬膳では肺と腎を潤すのに用いられます。

ツバメの巣というとなかなか手に入りにくい印象がありますが、同じく肺と腎を潤す食材に枸杞の実があります。杏仁豆腐の上にちょこっとのっている赤い実がそれです。

ちなみに杏仁豆腐に使われていて名前にもなっている杏仁という生薬には、肺に作用して咳をおさめる働きがあり、多くの咳止めの漢方薬にも配合されています。本格的な中華料理の最後に出てくる杏仁豆腐は、実は肺をいたわるデザートだったんですね。

ツバメの低空飛行から杏仁豆腐、思わぬところに話が着地してしまいました。何かがご参考になれば幸いです。

~薬剤師 鳥居英勝~

昨日は近くの小学校でまち探検という催しがありました。みんなで街を歩いて回って、パン屋さん、お菓子屋さん、くすり屋さんなどのお店がどんなことをしているかを調べるというものです。

わいわい楽しそうに歩く子供たちを見ていたらこちらも嬉しくなってしまいました。

コロナ禍の今は外から眺めるだけですが、以前は仕事するところを店の中で見せてあげたものです。早くコロナが収束して再開できればいいなと思っています。

さて、このところすがすがしい陽気が続いていますがもうすぐ梅雨入りです。平素から天気が悪くなるちょっと前から調子を崩しやすい方は、気象病にご注意ください。

気象病とは天候の変化によって様々な不調をきたすこと。気圧、気温、湿度などの大きな変動は良くも悪くも身体への負荷となって自律神経に影響を及ぼし、頭痛・肩こり・気分が晴れないなど様々な症状につながります。

このような場合、漢方的な対応として『気を通す』と和らぐのを私は実感しています。

身体に合った漢方薬を服用することで、気圧の変動による影響を受けにくくなって、天気が崩れる前に起きる頭痛や肩こりが楽になるものです。

~薬剤師 鳥居英勝~