» 2007 » 4 月 » 13のブログ記事

排卵誘発剤の使いすぎにより、卵巣が腫れることがあります。これによって現れる症状を卵巣過剰刺激症候群とよびます。
卵巣過剰刺激症候群には次の3つのタイプがあります。

①水湿・痰湿タイプ
この場合、気を補って余分な湿を取り除きます。
②お血タイプ
この場合、血のめぐりを良くして血の滞りを取り除きます。
③気陰不足
この場合、気を高めて陰液を増やすことにより、体のバランスを整えます。

これらの状態では、排卵誘発剤を継続することはお勧めできません。無理に使い続けると、卵巣の過剰刺激による副作用が出たり、卵巣の反応が悪くなりいくら刺激しても排卵しない状態を引き起こしかねません。

この場合、漢方薬により卵巣の状態を整えることが大切です。
その後漢方薬による周期療法と、必要に応じて排卵誘発剤を併用して、体に無理のない排卵を促すと良いでしょう。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

排卵誘発剤治療によって、次の症状が出ることがあります。

①基礎体温の高温期が高くなる。
②体重が増える。
③おりものが減る。
④月経量が減る。

①は陰虚火旺による症状です。この場合、一時的に休薬して補腎陰剤を服用すると体のバランスが整います。

③④は子宮内膜が薄くなったサインです。この状態を放っておくと、血虚と血おにより着床しずらくなるのでしかるべき対応をとるべきです。まず。一時的に休薬し、月経期に活血剤、卵胞期に補陰補血を施すとよいです。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

黄体機能不全(黄体ホルモン分泌不足)が起きている時は・・・
①腎の機能を高め、温かな子宮環境を保つ
②気血を補う
方法をとります。
これを『温補腎陽・益気養血』といいます。

周期療法を行う場合、
高温期:腎陽を高めて子宮を温め、子宮内膜をやわらかくする。また、気血を補う。
低温期:腎陰を補って卵胞の発育を助ける。また、血を補う。
方法をとります。
※黄体期の調整でうまくいかないこともあります。その場合、卵胞期に卵胞が十分に発育しなかったことが原因である場合があるので、卵胞期に腎の機能を高め、卵胞の発育と成長を助ける漢方薬を用いると良いのです。
また、ストレスを受けて体温が上下したり、PMSが発現する場合には、理気を施します。

高温期が11日以下と短かったり、体温が上下して安定しない。高温期に入って4~5日目に体温が下がる。高温期の体温が低かったり、低温期の+0.3℃未満などの場合、黄体機能が低下していることがあります。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

排卵障害が起きているときの対処法は・・・
①腎の機能を高める
②気と血のめぐりを改善する
方法をとります。これらを合わせて、『補腎活血促排卵』といいます。
※原因が卵胞の発育不良の場合は、卵胞期から調整する必要があります。

低温期から高温期への体温の移行が、だらだらと階段式に3日以上かかったり、排卵期に強い痛みがある場合は、『排卵障害』が起きている可能性があります。

~国際認定中医師 鳥居英勝~