» 2007 » 4 月 » 10のブログ記事

細胞内の小器官である“小胞体”は、虚血・アルツハイマー病・パーキンソン病などの神経変性疾患の病態生理上重要な役割を担っていることが分かってきました。
小胞体環境の維持は、神経細胞の生存だけでなく神経細胞としての機能維持にとってきわめて重要であるといわれています。

小胞体に虚血などの環境ストレスが加わった場合、小胞体内には多くのストレス蛋白が誘導され、その機能を守ろうとします。神経疾患だけでなく、小胞体環境の悪化に伴う細胞死が、糖尿病や動脈硬化、心臓虚血など多くの生活習慣病でもその病態に深く関わることが分かってきました。

神経系だけでなく疾患における小胞体環境維持の重要性を示し、代替医療による小胞体環境制御法についても議論されています。
      2004年度 日本補完代替医療学会学術集会発表

       ~薬剤師 鳥居英勝~

最近マスコミでも取り上げられているメタボリックシンドローム。高脂血症・高血圧・糖尿病・肥満を
放っておくと、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高くなるので要注意です。

脳梗塞や心筋梗塞など、虚血性疾患のリスクを高める主役的な原因は、動脈硬化です。
その動脈硬化を予防するには、活性酸素除去が大切だということが分かってきました。

ビタミンC・E、カロテノイド、ポリフェノールなどの抗酸化物質は、悪玉コレステロールLDLの酸化を抑制し、動脈硬化の予防に働きます。
これにより、動脈硬化性心疾患の発症率が有意に低下したとの結果が出ています。

赤ワイン・ココア・緑茶などから1日30mg以上のポリフェノールを摂取することでこの効果が期待できるようです。
『トマトが赤くなると医者が青くなる』などといわれるのも、トマトに含まれるリコピンが活性酸素を除去
し、様々な病気を予防するからだと考えられています。

日本の食文化は、元々活性酸素除去成分を多く摂取できるするようにできています。緑茶などはその代表的な食品です。
毎日の食生活に『抗酸化物質』を積極的に摂り入れる
と良いでしょう。

       ~薬剤師 鳥居英勝~

肝炎から肝臓がんにおいて、肝炎の進展とその後の肝がん発生を、瀉血および鉄制限食が有意に抑制するという報告があります。

鉄はそれ自体がフリーラジカルであり、周囲の過酸化水素と反応して細胞障害性の高いOHラジカルを放出し、細胞とDNA障害を引き起こすと考えれています。
また、鉄自体が癌のDNA増殖に関わっている可能性もあるとのことです。

その鉄を少なくすることにより、細胞の損傷が抑えられるということです。

ちなみに、保険適応のウルソ(胆石症・原発性胆汁性肝硬変・慢性肝炎の治療薬)は、フリーラジカル消去能を持つことが明らかになっています。

慢性肝炎から肝硬変、さらには肝細胞癌発症にかけての肝細胞障害にフリーラジカルが関与している可能性が強く示唆されてます。
瀉血は自分でするのは危険ですし、鉄制限食は貧血につながるリスクを伴います。

毎日できる工夫として、食事やサプリメントを上手に利用して、『活性酸素を除去』し『体のサビをとっていく』事が大切なようです。

       ~薬剤師 鳥居英勝~