読売新聞の医療ルネサンスで、5日間にわたり『漢方で支える』というお題の記事が載りました。その3日目の副題は、『鍼と併用 さらに効果』。まさにうちで取り組んでいるテーマです。要旨を抜粋します。

鍼は皮膚のツボを刺激することで、血流を改善するほか、脳から痛みを抑える物質が放出されたり自律神経のバランスを調えたりして、痛みや胃腸の不調、ストレスなどを和らげるとされる。鍼と漢方薬は対応できる症状の多くが共通するが、『鍼は効果が早く表れるが、持続しない。漢方薬は即効性より持続性があることが多い。患者の状態に合わせて両方を併用したり使い分けたりする』~本文より~

内側から漢方薬、外側からはり灸を施すことで、より良く身体を調えることができるものです。

~薬剤師 鳥居英勝~

経験したことがある方ならお分かりかと思いますが、両鼻が詰まってしまうと相当つらいものです。

呼吸がつらいのは当たり前ですが、飲み込むのも大変になり無理に飲み込もうとすると耳に抜ける。鼻をかんでも鼻水は通らないし、無理にかもうとするとこれもまた耳に抜ける。これが続いたら中耳炎になるだろうな~と思ってしまいます。

こんな時の応急処置をご紹介します。①まず、綿棒を用意します。②それを、鼻の中に差し込みます。③鼻の骨のちょっと奥あたりまで差し込んだところで、顔の外側に向けてこちょこちょします。④そうすると、必ずくしゃみが出ます。⑤2~4を反対の鼻でも行います。

⇒するとくしゃみによって交感神経が緊張するのか、鼻粘膜が一時的に収縮して、鼻水が出て、少なくとも数十秒間は鼻が通ります。

⇒鼻が通ったその隙に、点鼻薬を両鼻に使用します。そうすると、うれしいことに2~3時間は鼻が通ります。

今年強烈な花粉症に見舞われている私が、100%の確率で成功した方法です。ポイントは『くしゃみが出るこちょこちょ部位を探し当てること』。万人に向くかどうかわかりませんが、万が一のときに試してみてください。くれぐれも鼻の奥を傷つけないようにご注意を。

~薬剤師 鳥居英勝~

今年の受験シーズンも山場を過ぎました。受験生はもちろんですが、親御さんも体調管理の面などで大変だったことと思います。

受験生にとって風邪・インフルエンザ・胃腸炎などの感染症に注意がいるのはもちろんですが、この時期もっとこわいのは花粉症ではないでしょうか。

眼の痒みや、鼻水鼻詰まりで集中できなかったり、症状を抑えるための内服薬で眠くなってしまって勉強がはかどらないなど、受験生にとっては要注意です。ましてや試験日当日の天気が快晴高温だったりしたら大変なことになりかねません。

予防のために処方薬の抗アレルギー剤を飲ませたいけれど、通院先で他の感染症にかかるのが心配で・・・などという声も聞かれます。

そこで、安全で有効な花粉症対策のために、とても良い漢方薬があります。それは、『金竜』という漢方薬です。

小青龍湯、葛根湯加川キュウ辛夷、辛い清肺湯、荊芥連翹湯、葛根湯、苓甘姜味辛夏仁湯など、鼻炎に効果のある漢方薬は色々あります。花粉症に対しては、その中で小青龍湯が最も多く使われているかもしれません。お医者さんの処方薬としてもその傾向がみられます。

金竜は、小青龍湯に石膏という生薬を加味して、より炎症を和らげる作用を高めた方剤です。鼻水、鼻詰まり、眼の痒みの予防と緩和に有効です。

2歳のお子様から服用できて、長く飲んでも安心。そして、比較的証を選ばずに広く使うことができる方剤です。※医療用のエキス剤にはない方剤です。

1月位から飲んでおくと、本格的な花粉症シーズンが楽に過ごせると思いますよ。

~薬剤師 鳥居英勝~

トマト・ほうれん草・なす・タケノコにはヒスタミンが、バナナ・キウイ・パイナップルにはセロトニンが多く含まれています。

ヒスタミンとセロトニンは化学伝達物質で、花粉症の症状をひどくする原因になります。花粉症が心配な方はできるだけ避けた方が良いようです。※加熱すればOKと言われています。

毎朝バナナ入り自家製スムージーを飲んでいるのですが、今は別の果物に切り替えています。

~薬剤師 鳥居英勝~

気圧や気温が大きく変化したあとは、その日を入れて1~3日以内に歯周病が悪化するということがわかっています。

気候の変化の条件を細かくみると、『1時間ごとの気圧が急激に低下した日の2日後』と『1時間ごとの気温の上昇が大きかった日の翌日』に発症するケースが多かったとのこと。

理由として、気圧や気温の変化が、自律神経やホルモン分泌、循環器系に影響したり、歯周病の原因細菌の増殖に関与するなどして、慢性歯周炎の急激な悪化を引き起こす可能性があると考えられているようです。

そういえば、ある歯医者さんから『抗生剤は3日目から効きはじめる』と教わったことがあります。良くも悪くも、歯周炎は『刺激を受けてから数日後に変化があらわれる』ものなのかも知れません。

~薬剤師 鳥居英勝~

漢方医の触診の技、手袋型センサーで可視化へ。ベテランの医師が患者の腹部を触り、硬い・軟らかいと判定した圧力値の範囲を算出し、・・・。何やかんやで、経験が浅い若手医師が診断する際の判断に役立てると同時に、ベテラン医師の触診のスキルを伝承するということらしい。

便利だなと思う反面、どうなんだろうとうなってしまいます。

若いころベテランの中医師の元で学んでいた時に、脈診について『あなたがそうかんじたら、そうだと判断して良い。』と教わったものです。(脈診:脈の特徴を知ることで全身の状態を推察する方法)

『治すことを山の頂上に登ることとすれば、こちらから登るルートもあれば、向こう側から登るルートもある。最終的に登れれば良い。』という言葉があります。『治療家によって、判断の仕方や治し方は色々ある』ということです。

脈をはかる、お腹の硬さをはかるなどの触診は、望問聞切の四診の一つで、診断の際の重要な要素です。臨床家は、『触る』以外の診断方法を加味してトータルで判断して、弁証します。

表題の技術は、硬さを数値化することによって、硬い、少し硬い、軟らかいなど、お腹の硬さを機械によって確定させてしまいます。漢方的な診断の際に重要な『触診』の部分で、判断を数値化による判定に頼ってしまうと、柔軟なきめの細かい判断と対応が出来なくなるのではと懸念します。

若いお医者さんにとっても、スキルを身に着けることのかえって妨げになってしまうのではないかとも思います。この技術が、結局便利なようで便利ではないということにならなければ良いのですが。

~薬剤師 鳥居英勝~

花粉症の季節です。30年来の花粉症の私にとっては勝負の時期です。

花粉症の対応としては、抗アレルギー剤による対処療法から、根本的な体質改善など、いろいろあります。

抗アレルギー剤は飲めば楽になるんだけど眠くなるのでできれば避けたい。体質改善はすれば良いことはわかっているんだけど長く続けられない。

そこで、今年は、2月初旬から強力な抗酸化物質のサプリメントを飲んでいます。炎症をやわらげるのが目的です。花粉が飛んでいる時期だけ飲めばいいので続けられそうです。もちろん一切眠くなりません。

今のところ、調子は上々です。

~薬剤師 鳥居英勝~

40代でよく運動をしていると、もっと年を重ねてからぼけにくいそうです。なぜなら、脳の重量が低下しないから。

動くことで脳の血流が良くなり、それが脳を小さくしない理由とか。

良く動けば、振動が脳に刺激になるでしょうし、刺激で骨も丈夫に保たれる。筋力が維持されてロコモ対策にもなる。

運動は百薬の長といえそうです。

~薬剤師 鳥居英勝~

様々な抗酸化物質がありますが、細胞膜を効率よく酸化から守ることができる素材としてアスタキサンチンが注目されています。

細胞膜は、外側は水溶性・内側は脂溶性。カロテノイドの一種であるアスタキサンチンは細長い構造をしていて、一方は水溶性で反対側は脂溶性、長さは丁度細胞膜の厚みといっしょ。

アスタキサンチンは細胞膜にすっぽり縦におさまって、膜の外側と内側の両方を酸化から守ってくれることが分かっています。

アスタキサンチンを食べさせて育てた鶏の卵は、黄身を箸で持ち上げられるほど丈夫になるそうです。

そういえば松田聖子さんがアスタキサンチンの化粧品のCMに出ていましたね。ほっぺたがつやつやでぽってりしているのも、この成分のおかげかも知れませんね。

~薬剤師 鳥居英勝~

健康食品のお話です。

本当に良いものは、決してたくさん造ることはできません。

というのは、原料にこだわると大量に造ろうと思っても限界がありますし、製法にこだわると手間と時間がかかります。

よって、正直に、自然の素材を使って良いものを造ろうとすると、1年間に造ることができる量は当然決まってくる。そして、出荷できる量も決まってくるものです。

『こんなに多くの方にのまれています。一か月分でなんとこのお値段。』など、マスコミで大々的に宣伝されている商品は、要注意。

本当に良いものは、数に限りがあり、コストがかかる分価格も高いものです。

~薬剤師 鳥居英勝~