寒くなる季節、『寒暖差疲労』『血圧と冷え』にご注意ください!
酷暑の夏から一転、気温が下がる11月に気を付けたいのが寒暖差疲労です。症状としては、「倦怠感や頭痛がずっと続く」や「首や肩が凝って辛い」などが良くみられます。
その原因は、私たちの身体には自律神経が張り巡らされており、外気温変化に応じて常に体温を調整していることに由来します。身体は熱いときには血管を弛緩させると同時に汗をかくことで体温を下げます。逆に寒いときは血管を収縮させ身体からの放熱を防ぎます。
ところが、気温差が大きい環境では、体内の自律神経系の体温調節機能が『体温を一定に保とう!』と常に働くことから疲れてしまい、その結果、身体の不調として『寒暖差疲労』が引き起こされてしまいます。
また、これからは寒さに向かっていくため、血圧と冷えに対して気を付けていく必要があります。
寒冷を感じると体温を逃がさないように、血管が収縮して細くなります。すると、血液の通り道が細くなり、血液を送るために大きな力が必要になります。この大きな力がかかることによって血圧が上昇します。また、交感神経も刺激されるので、これも血圧を上げる要因になります。
血管の収縮に加え、血液は身体の中心部へ優先的に送られるため手足などの抹消が冷えやすくなります。血圧の上昇と冷えはセットになって現れます。
☆寒暖差疲労・血圧と冷えには、漢方薬が支えになります。血流を良くする、末梢血管を拡張する、身体を温める、自律神経を調えるなど、お身体に合った漢方薬をご提案いたしますのでお気軽にご相談ください。また、日常生活ではカイロや衣類などで手足などの抹消、お腹、背中、腰などを温かくして、身体を冷やさないことが大事だと思います。
薬膳のお話し 腎臓から出るホルモンに「レニン・アンジオテンシン」という血圧を上げる物質があります。実は薬膳的に腎を助ける食材に、このホルモンを抑えるものがあります。ごま、豆乳、山芋、さつまいも、ぶどう、栗、くるみ、海苔などです。血圧の上昇は腎だけでなく、心にも負担がかかります。心を補う『苦味』の食材、例えば春菊や緑茶、レタスなどを合わせて摂るのもお勧めです。
~薬剤師 鳥居英勝~