中国の国家中医薬管理局科技司と国家衛生健康委員会から、新型コロナウィルスに対して、「清肺排毒湯」の使用を推奨する旨の通知があったそうです。

清肺排毒湯:麻杏甘石湯、射干麻黄湯、小柴胡湯、五苓散を合わせたような方剤。性味平和。

薬味:麻黄9g シャ甘草6g 杏仁8g 生石膏15~30g(先煎) 桂枝9g 澤シャ9g 猪苓9g 白ジュツ9g 茯苓15g 柴胡16g 黄ゴン6g 姜半夏9g 生姜9g 紫オン9g 冬花9g 射干9g 細辛g 山薬12g 枳実6g 陳皮6g 霍香9g 水煎服

多くの生薬からなる方剤ですが、正気を傷つけることなく邪気を払うというバランスの取れた方剤といえるでしょう。実際に使う場合には、証を診て加減する必要がありそうです。

701人の罹患者に対し、64%の方で改善、悪化しなかった方を含めると94%以上の方に効果があったとのこと。服用後1日で51.8%の方で体温が正常になったとのこと。抗ウィルス作用も得られたのだろうと推測できます。

~薬剤師 鳥居英勝~

つわりとIQ R2/2/18

| 子宝漢方 |

ジョン・メディナ著の子育て本に、「つわりがひどいと、子供のIQが高くなる」という話があります。

理由として、「妊婦に吐き気を催させる2種類のホルモンが、発達中の胎児の脳の神経に肥料をほどこす役割を果たしており、母親が嘔吐すればするほど肥料となるホルモンが分泌され、その結果子供のIQが高くなる。」ということが考えられるそうです。

なるほど、このようなこともありそうですね。

一方で、逆の理由も考えられそうです。「脳が発達してIQが高くなる胎児からは、ホルモンなど何かしら母親につわりを起こさせる物質が分泌されていて、それが原因でつわりが起きる。」

胎児の神経的な器官が発達するのに大事な時期と、つわりが起きやすい時期が重なることを考えると、この説もありえそうです。

妊娠して比較的早い段階では、脈でお腹の赤ちゃんの性別が分かるものです。私の経験では、8割以上の確率で正しく判定できています。

妊娠中の母親と胎児は、様々な方法でコミュニケーションをとっていて、それが胎児の脳の発育やつわり、脈証などに影響しているのかも知れませんね。

~薬剤師 鳥居英勝~

コロナウィルスによる横浜港のクルーズ船問題。

ウィルス拡散のリスクと合わせて、乗客の治療薬不足が問題になっています。

すべての方が、まさか14日間も船内に足止めされるとは考えていなかったでしょう。予定通り家に帰ることが出来ることを考えて、お薬はせいぜい数日分余計に用意していた程度だと思います。

14日という期間で思い出すのが、東日本大震災の後のこと。このときは、薬の流通がおおむね正常に戻るのに、14日間位かかりました。

台風、水害、地震など、今や日本のどこでいつどんな災害があってもおかしくありません。私は、何かあった時の備えとして、慢性疾患で継続して服用しているお薬については、14日分位のストックはしておいた方が良いと思っています。

社会保障費の問題で残薬は減らしましょうという国の方針には沿う必要があります。ただ、セルフメディケーションというからには自分の身は自分で守らないといけません。そこで、慢性疾患で、病状が安定していて、処方が固まっているような場合には、ある程度の手持ち薬をストックすることが推奨されるべきだと思っています。

~薬剤師 鳥居英勝~

使い捨て紙マスクだけではなく、ガーゼマスクも入荷しにくくなりました。3日前のブログに紙マスクの代用に使う方法を載せたときにはまだ流通していたのですが・・・。

でも、ガーゼマスクは自分で作ることが出来ます。衛生剤として市販されているガーゼを使って、大きさを整えて24枚重ねにして、両わきを止めればとりあえずOKです。昭和12年生まれの父によると、戦時中はこのようにしてマスクを自分で作らされたとのこと。

もう一つ欠品騒ぎになっているのが、空間に噴霧するタイプの除菌剤です。

これも、代用になるものを作ることが一応可能です。次亜塩素酸ナトリウム系の空間噴霧除菌製品の溶液は、次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、有効塩素濃度は200ppmです。ピューラックスを300倍に薄めると、主成分が同じ濃度になります。この薄めたものをスプレー容器に詰めてスプレーすれば、同じ役割を果たしてくれます。

ただ、ピューラックスの本体には、「噴霧に使ってはいけない」と記されています。ピューラックスは医薬品なので、定められた用法以外には使わないことが原則。ですので、あくまでも同じ成分・同じ濃度の溶液を作るための情報として認識なさって下さい。

ちなみに、市販されている空間噴霧除菌製品には食品添加物扱いの次亜塩素酸ナトリウムが使われています。食品添加物扱いであれば、空間噴霧に使っても良いということになっています。

~薬剤師 鳥居英勝~

エタノール系の手指消毒剤も、流通があやしくなってきました。

ポンプ式で、揉み込んでいくと早く乾いて便利なジェル状のものです。

代用として、消毒用エタノールを使うのも一つの手です。

空いた容器や、100円ショップに売っているスプレー容器に入れ替えれば、同じように使うことが出来ます。

グリセリンを適当に混ぜると、使用感がしっとりして、手荒れしにくくなります。

消毒用エタノールとグリセリンは、今のところ問題なく流通しています。

※このようなものがあってもなくても、手洗いを徹底することは大切です。

~薬剤師 鳥居英勝~

使い捨てマスクが入荷がする見通しが立ちません。

現在日本国内のマスク工場はフル稼働しており順次出荷しているそうですが、これだけでは十分に行き渡らせることはできないようです。また、中国産も、まずは国内向けに出荷するでしょうし、日本に輸出しようとしても色々な理由でストップがかかっているとのこと。

日本でも、新型コロナウィルスはもちろん、インフルエンザや花粉症対策でマスクは必須。

そこで、使い捨てマスクの代替になる方法として、ガーゼマスクを使ってはどうでしょうか?

内側にキッチンペーパーを何重にか折って挟んでおいて、汚れたらそれだけ取り換えれば内側はきれいに保つことができます。

また、インフルエンザウィルスはアルコールで壊れるので、マスクの外側をアルコールでスプレーして消毒すればウィルス対策にもなりそうです。

2枚用意しておいて、1日毎に洗って使えば、毎日衛生的に使うことができます。

~薬剤師 鳥居英勝~

「殺虫剤と医療系消毒剤(エタノールとヨウ素)を使用する父親の子供は、男の子が少ない。」という興味深い文献を目にしました。

長い文献なのですが、結論として次のように締めています。

父方の殺虫剤と医療系消毒剤への職業的暴露は、男性の子孫の割合を低下させることを示唆している。この関連性は殺虫剤で特に強かった。このメカニズムを評価するには、さらなる研究が必要。特に、精液の質の低さと生殖ホルモンおよび甲状腺ホルモンのレベルとの関連性については調査が必要。

・・・このことは、統計的な事実として知っておくと良いかもしれません。ちなみに、仕事柄私は20年以上毎日のように消毒にエタノールを使っていますが、2男1女に恵まれています。

~薬剤師 鳥居英勝~

今朝の日本テレビの番組で、男性不妊症について取り上げられていました。

今は4人に1人にその可能性があるとのこと。男性の精子の数は、以前に比べて明らかに少なくなっているそうです。

精子の数が少ない、精子の運動率が悪い、精子の奇形率が高いなど、精子に問題があって授かりにくいことは良くあります。

精液検査に問題があってもなくても、授精・着床しやすくするためには、「精子の質」を向上させることがとても大切です。

そのための内側からのケアーとして、漢方薬・亜鉛・代謝を良くしたり抗酸化作用のあるサプリメントが効を奏します。

逆に、精子の質を悪くする要因に、陰部の温め過ぎと圧迫、身体の中の酸化などが知られています。

生活では、サウナで温まり過ぎない、デスクワークで座りっぱなしの場合は途中で身体をほぐす、脂っぽいものやお酒はほどほどにすると良いようです。

子宝のためには、ご夫婦一緒に身体を調えることが大切です。

~薬剤師 鳥居英勝~

子供からもらったのか、先日お腹の風邪にかかってしまいました。症状は、便が出渋る感じ。そこで、かなりひどい便秘でも楽になるよと聞いていた方法を試してみました。

それは、朝起きてお腹が空っぽのときに、酵素飲料を飲むというもの。乳酸菌とオリゴ糖が生きたまま腸まで届いて、腸内環境が良くなるという説明で、理にかなっていると感じていました。寒い時期でもあり、お腹を温めようと温かくしてのんでみました。

するとその日から、形の良い便が、ヌルッと出るようになりました。色も薄茶色で理想的に。

うんちの色は腸内細菌のバロメーターになります。善玉菌が多いとうんちは黄色っぽく、悪玉菌が多いと黒っぽくなります。ちなみに、善玉菌が増えている状況では腸内は酸性に傾き、悪玉菌が増えている状況ではアルカリ性に傾いています。

肉ばかり食べていると、うんちは黒くなっておならは臭くなります。こういうときは、発酵食品やオリゴ糖・食物繊維を多く摂ると、善玉菌が増えて、うんちは茶色っぽくなりおならは臭わなくなってきます。

理想的なうんちは、薄茶色~黄色。この状態であれば、腸内免疫も良好で風邪も引きにくいはずです。便の色は、健康のバロメーターにもなります。

~薬剤師 鳥居英勝~

味が苦い、粉が飲みにくい、顆粒が口の中にザラザラして嫌など、漢方薬が飲みにくいのにはいくつか理由があると思います。

でも、たいていの場合、飲み方を工夫すれば飲めてしまうものです。いくつか方法をご紹介します。

〇オブラートを使う〇お湯に溶かす〇お湯に溶かしてハチミツを入れる〇はちみつやヤクルト、ヨーグルトなどと合わせる〇お薬服用ゼリーを使う〇カプセルに充填する

それぞれ、一長一短あると思いますが、きっとご自身に合った飲み方があると思います。

苦くて飲みにくい抗生剤を赤ちゃんに飲ませる時には、少量の水で錬って硬めのペースト状にして、上あごに塗り付けるという方法と取りますが、漢方薬でもこの飲み方は活かせるかもしれません。

そういえば、学生の頃実習で正露丸を造ったことがあります。生薬の粉に粘ちょう性のある液状のものを混ぜて練りこんでいって、最後に木製の器具を使ってゴロゴロさせて丸剤を造り出すという製法でした。

苦い、粉の漢方薬も、丸剤になってしまえばかなり飲みやすくなります。そこで、かなり苦めの散剤の漢方薬に、台所にあった黒蜜を合わせてかき混ぜて練ってみました。形成するときにひっつかないように、きな粉を入れて指で丸めると、予定通り柔らかい丸剤になりました。実習で造ったように硬くはなりませんでしたが、形にはなるので、飲んでみたらかなり飲みやすかったです。

黒糖きな粉風味で美味しそうだったので、試しにかんで食べてみると、黒蜜ときな粉の風味でとても美味しくなっていました。この方法なら、どんな苦い漢方薬でも、団子状にして丸めて食べてしまう感じで、美味しく飲めてしまいそうです。

ひと手間かかりますが、漢方薬が苦手な方は、試してみるときっと気持ちよく飲むことができますよ。

【飲みにくい漢方薬をおいしく飲む方法】顆粒・細粒・散剤の漢方薬に黒蜜を入れて良く練る⇒きな粉を入れて軽く混ぜ合わせる⇒指で適当な大きさに丸める⇒ぬるま湯で飲み込む、または食べるようにして飲む。

~薬剤師 鳥居英勝~