うんち、おしっこ、おちんちん。子供が大喜びするのはなぜでしょうか?

一説によると、子供にとって排尿行為はとても気持ちが良いことであって、それに関わるキーワードが大好きなんだそうです。

うんち、おしっこは絶対しないといけない生理行動ですが、子供にとっては快楽でもあるんですね。

一方で、お風呂。入浴は気持ちいいものですが、お風呂嫌いのお子さんもいると聞きます。気持ち良いよりも先に、服を脱ぐことの面倒の方が先に立つのかもしれません。

服を脱ぐことが面倒といえば、うんちをするときにズボンからパンツまで全部脱ぐ子の場合、そうでない子に比べて大きくなってから便秘になる率が高いようです。

その理由は、用を足すときに服を脱ぐことが面倒であるがゆえにトイレが嫌いになり、うんちをするのが遅くなるため。したい時にしないと習慣性便秘になりやすくなりますからね。

大人になってから便秘症にならないためにも、小さいうちから、ズボンとパンツは膝辺りまで下ろした状態で排便できるようにしておくと良いようです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

皆さんご存知の半身浴。水圧による身体への負荷が軽いので心臓が悪い方でも安心な入浴法として知られています。

半身浴の最大のメリットは、身体が良く温まること。胸あたりから上がお湯から出ているためにのぼせにくく、長く入っていられるので、上手に入れば身体を芯から温めることができます。身体を芯から温めるためには、38~39度くらいのちょっとぬるめのお湯で、20~30分ゆっくりつかると良いようです。※温度と時間は気持ちが良いことが重要。

このような入浴法で得られる効果は・・・深部体温があったまる、末梢血管が開くので手足の冷えによい、体温が上がるので免疫力がアップする、リラックスすることで副交感神経が活性化されてぐっすり眠れる・同時にリンパ球が増えるので免疫力がアップする、代謝が良くなるので肥満解消に役立つ、などなど。

これから寒くなる季節ですので、身体の冷えが気になる方は、是非半身浴を試してみてはいかがでしょうか。半身浴の際は、肩が冷えないように、温かいお湯でぬらしたタオルをかけたり、かけ湯をすることを忘れないようにしましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

カリウム(K)は、緑黄色野菜に多く含まれているミネラルです。体内ではナトリウム(Na)と相関して、水液代謝や細胞が正常に働く上で重要な役割を担っています。

Kにはもう1つ重要な働きがあります。それは、放射性セシウムの体内への蓄積を軽減する働き。身体を十分なKで満たしておけば、放射性セシウムを摂取しても細胞に取り込まなくて済むため排泄が早いとのこと。

そのように人体に有益なKですが、自然界に存在するK原子の内、8800個に1個は放射性カリウムであるとのこと。平素から、我々は食事で微量ではあっても放射性カリウムを摂り続けており、健康を気にして緑黄色野菜を多く食べている人は、それだけ多くの放射性カリウムを摂取していることになります。

とはいえ、これまでベジタリアンが癌になり易いというデータを見たことはありません。原発事故後の放射性物質が気になる今の時期は、放射性セシウムに蓄積を防ぐためにも、やはり安全が確認された野菜などからKを多く摂取するメリットはあると思います。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

コーヒーを飲むと、ストレスが和らいだり眠気がすっきりするなど、色々な効用があることが知られていますが、香りを嗅ぐだけでもある効果が期待できるようです。

その効果とは、ストレス緩和作用。揮発性成分を嗅ぐことで、覚醒水準が低下して、抗不安様のストレス緩和作用が発揮されるとのこと。※その作用は、豆の種類によって違いがあるようです。

コーヒーは、含まれるカフェインによって覚醒作用があり、飲むと眠気がスッキリすることは有名ですが、香りだけを嗅ぐと逆に覚醒水準が低下するということは面白い情報だと思います。

夜ぐっすり眠るのに苦労している方は、コーヒーの香りを利用すると良いかもしれません。飲んでしまうと、カフェインによって眠れなくなることがあるので要注意です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

文部科学省が、地表面への放射性セシウム蓄積量マップを公表しています。どのようにして測定して作られたものなのか調べてみました。

測定方法:ヘリコプター及び飛行機により、対地高度で150~300mの飛行高度でγ線を測定する。モニタリングにおける航空機の軌跡幅は3km程度。公表される数値は、航空機下部の直径約300m~600mの円内の測定値を平均化したものであり、併せて陸上においてγ線エネルギー分析装置を用いて測定した結果も踏まえて算出。

要するに、3km毎に150m~300mの高度で測ったγ線量から地上に積もっている放射性セシウムの量を算出したものと、地上で測定したγ線量を併せて分析して、数値化したということです。

ただ、軌跡幅が3km程度、測定値は300m~600mの円内を平均化したものということは、限られた狭いエリアのホットスポットや、水で流されて自然に除染されるなどして線量が少ない場所などは表現されていない可能性が高いことは頭に入れておくべきでしょう。また、蓄積量の色の境界線は実際と数kmずれている箇所があることも考えられます。

放射性セシウムは、β線とγ線を放出します。β線は内部被曝、γ線は外部被曝を考える際に重要になってきます。蓄積量マップ作成に利用されたのはγ線のみですが、その線量が多い場所は即ちβ線も多いということ。地図で蓄積量の多いエリアに住んでいる場合には、外部被曝と内部被曝の両面への注意が必要になります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

秋になり空気が乾燥し、感染症が気になる時期になってきました。感染予防に『うがい』と『手洗い』は必須。それぞれに便利な殺菌剤などをまとめてみました。

うがい薬には、ヨード系・セチリピリジニウム系の殺菌剤や、アズレン系の抗炎症剤があります。また、それらに炭酸水素ナトリウムが入っていると浄化作用が高くなります。ただ、殺菌剤でうがいをしすぎると、のどの繊毛運動が鈍くなって自浄作用が弱まるといわれているので注意が必要。日常のうがいは、塩水でガラガラやれば十分で、うがい薬は、のどが化膿している場合や、炎症があったり痛みがある場合に使う程度で良いようです。

手洗い用洗剤にも色々あります。普通の石ケンでも汚れはきれいになりますが、ウィルスや細菌が気になる場合には殺菌剤の入った薬用石鹸を使うと良いでしょう。最近では、塩化ベンザルコニウム配合の泡ウォッシュも出ています。

手洗い後に使う速乾性の殺菌ジェルにも色々あります。消毒用エタノール、塩化ベンザルコニウム含有消毒用エタノール、クロルヘキシジン配合の消毒用エタノールが代表的。消毒用エタノールだけでもウィルス・細菌に対してかなりの除菌効果が期待できますが、塩化ベンザルコニウムやクロルヘキシジンが配合されているとさらに抗菌域が広くなります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

寒くなってきたこともあり、おしっこの悩みのご相談が多くなってきました。

おしっこのトラブルには、頻尿・尿漏れ・排尿困難・残尿感などがあります。男性は尿道が長く前立腺に圧迫されているため、尿が出にくい排尿障害が起こりやすく、女性は尿道が短く筋力が弱いため、尿が漏れる蓄尿障害と細菌の膀胱への侵入による膀胱炎が起こりやすくなります。OTC医薬品は漢方薬が中心で、特別な原因が見出せない尿トラブルに有効です。代表的な漢方薬として、清心蓮子飲・八味地黄丸・猪苓湯・竜胆ンシャ肝湯・小建中湯・五淋散などがあります。

病態を分類すると次のようになります。

1、腹圧性尿失禁(咳やくしゃみなどお腹に力が入ると漏れてしまう)・・・女性に多く、妊娠・出産や加齢、肥満により骨盤底筋(膀胱・膣・尿道を支える筋肉)が弱まるために起こります。・・・治療:β2刺激薬・骨盤底筋補強手術・骨盤底筋体操・膀胱訓練

2、過活動膀胱(突然強い尿意が起こりトイレまで我慢できない。トイレが近い。)・・・様々な原因により膀胱が活動しすぎてしまい、尿があまり溜まっていないのに排尿筋が収縮し頻尿が起こります。・・・治療:平滑筋弛緩薬(女性のみOTCあり)・抗コリン薬・骨盤底筋体操・膀胱訓練

3、膀胱炎などの感染症(強い尿意が起こり、尿の濁りや残尿感、排尿痛が伴う。)・・・膀胱、尿管、尿道、腎盂などに細菌が侵入し炎症を起こすと、膀胱が過敏になり頻尿になります。長時間のトイレの我慢や、ストレスや過労による抵抗力の低下、不衛生などが原因で起こります。・・・治療:抗菌薬・初期であれば漢方薬

4、心因性頻尿(テストの前や仕事中に緊張すると、トイレが近くなる。)・・・残尿感などの他の症状が無く、検査をしても特に異常がない場合は、精神的なストレスや緊張、不安による自律神経の乱れにより頻尿になる事があります。・・・治療:抗不安薬やカウンセリング

5、前立腺肥大症(中高年男性で、尿の勢いが弱い、残尿感、トイレが近い症状がある)・・・男性には前立腺が膀胱のすぐ下にあり、これが肥大することで尿道や膀胱の出口を圧迫して、尿の通りを悪くし、膀胱を刺激します。出し切れない尿が残っているため、残尿感、頻尿の症状が現れます。・・・治療:α遮断薬・抗男性ホルモン薬・前立腺除去手術・漢方薬

いずれの場合も、冷えは禁物。身体を暖かくして冷たいものを控えることが大切。その上で、漢方薬を証に合わせて服用することで気になる症状の改善が期待できます。良くなるまでの過程で、必要であれば尿とりパットを使うなどして精神的な負担を軽くすると功を奏することがあります。

☆骨盤底筋体操:①膣、肛門をお腹に引き込むようにイメージして力を入れる。(座り、立ち、あお向け、よつんばいのいずれかの姿勢でもよい)→②身体に手を当てて、その筋肉が動いていないか確認する→③力を入れて数秒~数十秒数え、力を抜いて少し休み、また力を入れる。※毎日3ケ月以上続ける。

☆膀胱訓練:尿意を我慢する練習を短い時間から始めて、少しずつ時間を延ばしていく。最初は5分くらい我慢し、1~2ヶ月かけて最終的に2~3時間我慢できるようになれば目標達成。訓練と併せて排尿日誌をつけてみましょう。排尿日記には排尿した時間、尿の量(通常200~300ml)などを記載します。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

『じゃがいものビタミンCは加熱しても壊れ難い』と聞いたことがあります。どうしてか調べてみました。

それは、『じゃがいもの中のビタミンCは、周りを囲んでいるデンプン質に守られるため』だそうです。ちょっと物足りない説明ですが、丸ごとゆでた場合で80%、揚げた場合で90%残存するとのこと。また、電子レンジで加熱した場合には、ビタミンCはマイクロウェーブを受けても振動せず温度が上がらないのでさらに壊れ難いとのこと。

じゃがいもに含まれるビタミンCの量は結構多く、g当たりで比較するとみかんと同じか少し多いくらい。レモンと比べるとグッと下がりますが、リンゴの何倍も含んでいます。

また、じゃがいもはビタミンCの他にも,ビタミンB2・B6も沢山含んでいます。ビタミンC、B2・B6は、粘膜を正常に保つのに必要な栄養素。口内炎など粘膜が荒れているときには積極的に摂ると良いようです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

身体にとって良い油と悪い油があることをご存知でしょうか?

最近テレビCMで『トランス脂肪酸フリー』という言葉を聞くことがありますが、そのトランス脂肪酸は悪い油の代表格。動脈硬化の原因になったり、知能の発達を妨げるなど、身体に様々な弊害を引き起こすことが分かっています。トランス脂肪酸は、パンやクッキーなどを作るのに使われるショートニングや、マーガリンなどに多く含まれています。

欧米各国では10年以上前から、このトランス脂肪酸の危険性を認識して、積極的に摂取制限を図っており、日本でも昨年、厚生労働省が摂取制限に向けた検討会を発足させています。

トランス脂肪酸の他にも、摂取を控え目にした方が良い油に、サラダ油・コーン油・サフラワー油など、ω6系の油が挙げられます。

一方で良い油、即ち積極的に摂取した方が良い油には、シソ油・亜麻仁油などω3系の油、オリーブ油・キャノーラ油などω9系の油があります。シソ油・亜麻仁油は、和え物・ドレッシングなどで生で摂ることが大切です。オリーブ油・キャノーラ油は、炒め物・揚げ物など過熱して調理する場合に適しています。

トランス脂肪酸がなぜ身体に悪いかというと、この油は代謝排泄に非常に時間がかかり、身体に蓄積する特徴があること。血管にたまれば血管は硬くなりますし、大半が脂質で構成されてる脳にたまれば脳の機能と発育に良いはずがありません。また、たまった油は必ず酸化されて活性酸素を発生させます。そうすると周辺の細胞を犯すことになります。その結果、様々な病気が引き起こされることが分かっています。

先ほど控えめにした方が良い油として記したω6系脂肪酸は、本来は身体にとって必要な物質です。大切なのはω3系とω6系のバランス。飽食の今、日本人はω6系脂肪酸を余りにも過剰に摂取しているため、身体に弊害が出てしまっています。ω6系が過剰になると、アレルギー反応が誘発されやすなったり、炎症性の痛みの物質が増えやすくなります。そこで、ω3系の油を積極的に摂ることが必要になっています。

市販のスナック菓子、揚げ物のほとんどは、このω6系脂肪酸を使って調理されています。スナック菓子が世に出始めたのは約30年前から。近年アレルギーの子供が増えている原因の1つかも知れません。

これらのことをご存じなかった方は、今日から油に注意することをお勧めします。毎日の生活で、料理で使う油に注意する(ω3系とω9系の油を使う)、市販のやわらかいパンやスナック菓子を控えることが大切です。

パンを食べるのであれば全粒粉で天然酵母の素朴なパンを食べると良い。子供がそういった素朴な食べ物に食べ慣れて、おいしいと感じる感覚を養うことは1つの食育で、その感覚は、その子供の将来の食生活に良い影響を及ぼし、悪い物を食べず良い物を好んで食べるようになり、結果として知能アップと健康を保つことに繋がると思います。

可能であればパンを排して米を食べるようにすればなお良く、栄養学的にはご飯の方が優れていることが分かっています。また、米の産地であるここ鹿沼市においては、地産地消になって、地元の経済も発展にも繋がるかもしれません。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

『雨が降ると膝が痛む』、『曇りの日は頭が痛い』などの体の不調は、気圧による自律神経の働きの変化が関係しています。

雨や曇りなど低気圧の時には、副交感神経が優位になります。副交感神経が優位になると、血管はゆるむので血管拡張性の頭痛が起きたり、リンパ球が増えるので炎症反応がアップして膝の痛みが出やすくなります。また、やる気が出ないことも副交感神経優位の時の特徴です。

一方、晴天で高気圧の時には、体は酸素を沢山取り込めてるので、脳はやる気に満ち溢れ、体は活性化します。

では、気圧が低い時に調子を保つためにはどうすれば良いかというと、意外と簡単で効果的な対処法があります。それは、低気圧の日は、朝熱めのシャワーを浴びたり、熱いお風呂にサッと入ること。そうすると、交感神経が優位になるので不調を来たし難くなります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~