①血液は約1分で全身を1回りする!
ドクンという拍動で心臓を出た血液は、脳や足先まで張り巡らされた長い血管をたどって全身を回り、いったん心臓を通過。肺で二酸化炭素と酸素を交換して再び心臓に戻ります。この間わずか1分!行きの動脈を通過するほうが帰りの静脈よりも圧倒的に速く、血圧も高くなっています。

②全ての血管をつなぐと地球を2周する
体内の細胞にはいつも新鮮な血液が必要です。全身にくまなく血液を届けるために張り巡らされた血管には、大きく分けて動脈・静脈・毛細血管の3種類がありますが、これらを全て一本につなげると、およそ9万kmにも達します。これは、地球2周分に相当する長さ!血液の旅路は、はるかに長いものなのです。

③体内を流れる血液の量は牛乳パック4~5本分
私たち体内の血液量は体重の約8%。50kgの人なら4kg(約4ℓ)60kgの人なら4.8kg(約4.8ℓ)となります。つまり、常に1ℓの牛乳パックを4~5本分もの血液が身体の中を循環しているというわけ。月経(生理)の時や献血した時、おなかを壊した時、汗をかいた時などには一時的に量が減りますが、すぐに元に戻ります。

④涙や母乳も元血液
血液は、ときには意外なものに変身して、身体のあちこちで栄養素や老廃物のやりとりを行っています。たとえば、汗や尿はもともと血液で、老廃物を外に排出しているもの。涙も血液からつくられ、悲しいときに流す涙はストレス成分を排出しているといわれます。また、母乳は血液から必要な栄養素や免疫成分を選んでつくられたものです。

⑤足踏みすると赤血球が壊れる
赤血球はとてもデリケート。足を踏み込むような動作をするとショックで膜が破れ、壊れてしまいます。もちろん赤血球は次々に送り込まれてきますが、踏み続けていると壊れる量が新しく到着する量を上回り、貧血を招きます。
マラソンやサッカーなど、長時間走り続けるスポーツの選手は、こうした理由から『スポーツ貧血』になることもあるそうです。

       ~薬剤師 鳥居英勝~