風邪を引いたときの食事のポイントは、エネルギー代謝に必要な栄養素とエネルギー補給に重点をおき、            消化のよいものを摂るようにするのがポイントです。水分補給も忘れないようにしましょう。

風邪をひいて熱が出ると、基礎代謝量が増加します。一方で食欲不振などでいつのもように食事が摂れない          場合は、エネルギー摂取量は減少します。                                                 体力を回復させ、風邪のウィルスへの抵抗力をつけるには少量でも必要な栄養素とエネルギー補給が大切です。       同時に、安静にして保温することも大切です。

食事のポイント                                                                  ○エネルギーとタンパク質補給:発熱時には、エネルギーの消耗だけでなく身体のタンパク質もいつもより分解が        進みます。すぐにエネルギー源になる炭水化物(糖質)とともにタンパク質の補給が大切です。                   ○ビタミン補給:風邪のウィルスに対抗する白血球の働きを助けるビタミンC、鼻やノドの粘膜を保護するβーカロテン      (ビタミンA)、エネルギー代謝に必要なビタミンB1などを摂ることを心がけましょう。                         特にビタミンCとB1は水溶性ビタミンで身体に蓄積されないので、できるだけ毎食摂るようにしましょう。             ○水分補給:とくに、発熱時には発汗により水分も失われるので水分補給も大切です。

消化の良い食材・調理法で、炭水化物・タンパク質・ビタミンが摂れるものを組み合わせて摂りましょう。             嘔吐があるときには、症状が治まるまで絶食とします。胃腸の調子が悪いと感じたり、下痢があるときにはおじやより     は白粥から始めましょう。油を使用した料理や脂肪を含む食材は消化に時間がかかるので避けましょう。

各栄養素を多く含む食材は次のようになります                                               炭水化物・・・おかゆ、うどん、パンなど                                                    タンパク質・ビタミンB1・・・卵、白身魚、鶏肉、豆腐、乳製品など                                    ビタミンC・βーカロテン・・・青菜・ブロッコリー・ニンジンなどカラフルな野菜、ジャガイモ、果物など

☆のどが痛いときは・・・湯豆腐、茶碗蒸し、スープなど、のど越しの良いもので、食べられそうなものを食べましょう。       また、塩辛い味付け、酸味の強い物は控えましょう。

☆熱があるときは・・・風邪のときは、身体を温めることが大切ですが、熱があって身体が熱いときは、冷たいものの方      が食べやすいこともあります。プリン、ヨーグルト、フレッシュジュースなどもお勧めです。

☆しょうが湯もおすすめ・・・身体を温めたいとき、のどが痛いとき、あまり食欲がないとき、まずは手軽にしょうが湯を飲む    のもおすすめです。昔からある民間療法ですが、風邪にもやさしい材料でできています。

背中がぞくぞくして、風邪かなと感じた時にすぐに葛根湯を服用すると風邪の回復が早くなります。                  葛根湯は肩こりや肩こりからくる頭痛にも使えるので、ご家庭に1つ置いておくと良いでしょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

手指や足裏など、『イボ』が気になる方は多いようです。ものの本によると、程度の差こそあれほとんどの人に          イボがあるとのこと。                                                              その原因はウィルス。イボの原因となるウィルスは、80種類以上あります。

ほとんどのイボは、放っておけば自然に消失します。ただ、見た目が気になったり手がつい伸びて触ってしまうなど、      生活に支障があるような場合には、取ったほうが良いでしょう。

イボを取る方法は色々あります。お医者さんでは、レーザーで焼いたり、液体窒素で凍らせてとる方法を取ります。       ただ、これらの方法は痛みを伴い、子どもにはつらいようです。

自宅で簡単にできる方法に、サリチル酸製剤をイボの硬くなったところに塗り、その部分の細胞を壊したのちやすり       などで削る方法があります。                                                          これを繰り返すうちに、ゆっくりとイボが小さくなり元の皮膚に戻ります。痛みがないので子どもでも大丈夫です。         ※顔や皮膚がデリケートな部分などには、この方法は向きません。

また、ヨクイニンという漢方薬を飲むと、ゆっくりとイボが小さくなります。

【注意】放っておいてはいけないイボや、水イボなどの積極的に治療をした方が良いイボもあります。               判別が難しい場合には、お医者さんに相談することをお勧めします。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

慢性的な頭痛の軽減にはアスピリンなどの薬よりもハリ治療が効くとの調査結果を、                        米デューク大の研究者らが専門誌で発表しました。

偏頭痛や緊張性頭痛など慢性の頭痛患者約4000人が対象となった複数の研究を再調査したところ、              ハリ治療を受けた患者では62%に改善が見られたのに対し、薬の服用では45%だったとのこと。                

また、実際のハリ治療では53%に改善がみられたが、医療対象とならない位置にハリをうつ偽の治療では           45%で改善。                                                                  効果が現れるには平均で5~6回の治療が必要だったとの結果が得られています。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

今年もつらい花粉症シーズンがやってきます。                                               今年の飛散開始は、平年並みかやや早まる見込みとのこと。                                      飛散量は、平均より3~5割増しになる可能性があり、特に東海・西日本では多くなると予想されています。

花粉症を少しでも軽く済ませるためには、抵抗力がある身体を作ることが大切。                           そのためには、基礎的な部分で食事から変えていくことも重要です。                                  バランスよく、規則正しい時間に、身体を温めるような食事を心がけましょう。

昔から日本人が摂取してきた、穀類・豆類・芋類や、自然の調味料(甘味は蜂蜜など)などの食材を摂取する          だけでも十分な対策になりえます。                                                      逆に、インスタント食品・甘い物や辛い物・アルコールは避けたほうが良いようです。

また、漢方薬や免疫ハーブなどの生薬製剤も花粉症対策には有効です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

病名のない「ホントにつらい症状」が増えています。                                            原因は「気づかない疲れの蓄積」。筋肉が硬くなって静脈が血液を心臓に戻せなくなると血行不良に               なるのです。「血行不良」と「疲れ」は大きく関わっています。

①だるい、きつい、眠たい                                                           ②頭が痛くて重い、ふらふらする                                                       ③眼が痛み、乾燥したりかすむ                                                        ④首がこって痛む                                                                ⑤肩や背中がこったりはって痛む                                                      ⑥胸が息苦しい、痛む、動悸                                                         ⑦腰がだるく痛い                                                                ⑧お腹が冷えて痛む、下痢・便秘                                                      ⑨関節が痛んではる                                                              ⑩足が冷えてむくむ

・・・何か症状が当てはまれば、身体が疲れているシグナルです。                                   シグナルは放っておいてはいけません。本当の病気になる前に早めに治しましょう!

◎肉体疲労は筋肉などのエネルギー燃焼による回復                                             ◎肉体疲労の主な原因は「酸素不足」や「乳酸・尿酸・アンモニアなどの蓄積」が関与しています                  ◎精神疲労は脳内神経伝達の正常化による回復。セロトニンなどのアミノ酸が関与しています。                  ◎疲労回復に欠かせない成分がアミノ酸、ビタミン、ミネラルなどです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

理想の体温は、36.5~37.2℃。最低でも36.1~36.2℃はあった方が良いとされています。                    基礎体温が低い場合、体内は次のような環境になっています。

基礎代謝が低下⇒1日あたりの消費カロリーが低下し、体重の増加につながります。                        腸内酵素が低下⇒栄養の吸収が悪く、栄養不足になり、エネルギー生産能力までが低下します。                免疫力が低下⇒風邪を引きやすく、引いた場合治り難くなります。                                    ガン細胞が活性化⇒ガンは、35℃を好み39.3℃で死滅します。

37~39℃・・・免疫力アップ                                                        36.5~37.2℃・・・健康体で免疫力も旺盛                                             36℃・・・免疫力低下でかぜなど引きやすくなる                                         35.5℃・・・恒常的に続くと、排泄機能低下、自律神経失調症、アレルギー症状が出る                   35℃・・・ガン細胞が最も増殖する体温                                               34℃・・・水におぼれた人の命が助かるかどうかの分かれ目                                   33℃・・・冬山で遭難し、凍死寸前に幻覚症状が出てくる体温                                  30℃・・・意識を失う

理想の体温は長寿の秘訣です!

      ~薬剤師 鳥居英勝~

1980年以降、欧米では胃の症状を訴えられる患者さんに内視鏡などの検査で調べても                      胃に異常がない場合が多く見られ、これまではこのような症状は「慢性胃炎」と診断されていました。               しかし、胃に炎症などないので「胃炎」という呼び方はそぐわないと考えられ「NUD(機能性ディスペプシア)」           と呼んでいます。                                                                日本でも最近「機能性胃腸症」と呼ぶようになってきました。

検査では異常のない「機能性胃腸症」の3つのタイプ                                           ○運動不全型(もたれなど)ストレスや不規則な生活、食べすぎなどでいの運動機能が低下して起こります。          ・・治療法:胃の運動を活発にして、胃の消化力を高めます。                                       ○潰瘍症状型(痛みなど)ストレスや不規則な食生活、食べすぎ、薬の副作用などで胃酸が出過ぎるために起こります。    ・・・治療法:胃酸の分泌を抑制して、胃酸を抑えます。                                          ○逆流症状型(胸やけなど)食べすぎや前かがみの姿勢を長時間とるなど、おなかに強い力がかかるなど胃酸によって    食道に炎症が起こります。                                                          ・・・治療法:胃の運動を高め、胃酸の分泌を抑制します。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

風邪などで抗生剤が処方されたとき、服用後一時的に便秘になったり便がゆるくなることがあります。              これは、抗生剤によって腸内細菌のバランスが崩れるため。

このバランスは、抗生剤の服用が終われば回復しますが、もともと胃腸が弱いなどお腹が心配な方は、             抗生剤服用の際に整腸剤を併用すると良いでしょう。

特に、通常センナ・ダイオウなどの生薬の便秘薬を服用している方の場合、抗生剤によってセンナ・ダイオウ            の有効成分を活性化させるための善玉菌が減少し、一時的に便秘薬の効きが悪くなる場合があります。            そんな時に便秘薬の用量を増やしてしまうと、いざ抗生剤の服用を終えた場合に善玉菌が増殖し、便秘薬の          効きが良くなりすぎて困る場合があるので注意が必要です。

腸内の細菌バランスを保つため、抗生剤服用の際は、抗生剤耐性の整腸剤を服用すると良いでしょう。             

また、もともと便秘がちだったり下痢気味の方、また、下痢と便秘を繰り返す方、センナ・ダイオウ系の              生薬の便秘薬を服用しても効果がいまひとつ方は、腸内細菌のバランスを正常化するために積極的に              整腸剤を服用することをお勧めします。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

お薬は正しく使えば“クスリ”ですが、使い方を誤ると“リスク”が生じます。                               リスクを回避するために、薬局でお薬を購入する時に薬剤師に伝えて頂きたいことをまとめてみます。

1.薬を必要としている人:                                                           ①子ども・高齢者の場合は、その年齢                                                    ②妊娠中・授乳中であれば、その旨を

2.具体的な症状:とくにつらい症状、いつごろからみられたかなど

3.普段の対処法:OTC医薬品で対処しているときは、具体的な商品名

4.現在の症状以外で、治療している疾患、服用している薬剤、摂取しているサプリメント

5.副作用の経験の有無:ある場合は、いつごろ、どんな薬で、どんな症状がみられたか

6.薬や食べ物などに対するアレルギー:ある場合は、具体的な薬剤名・食品名

7.口にすることが多い嗜好品(コーヒー、たばこ、アルコールなど)や飲食物

8.OTC医薬品についての希望:                                                         剤形(錠剤、粉、液体など)、服用回数(1日2回、1日1回など)、水なしでものめるもの、                      眠くならないもの、価格など。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

pic_0160春の七草を、すべてご存知でしょうか?                                                 『せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ』━これが春の七草です。                   このうち、“なずな”はカブ、“ごぎょう”はハハコグサ、“はこべら”はハコベ、“ほとけのざ”はタビラコ、             “すずしろ”はダイコンとされ、これらを正月7日、おかゆに入れて食べる習俗が全国に残っています。

七草の種類は時代や地域によっても異なり、雪の多い地方では栗、串柿、ニンジン、ゴボウ、タラの芽             などを用いることもあります。

おかゆも七草も、胃腸にやさしい食べ物。この時期に『七草がゆ』を食べる習俗には、ちゃんと理由があります。       忘年会や新年会などの集まりが続く年末年始の後は、食べ過ぎ・飲み過ぎで疲れた胃腸をいたわり、休ませ         るという、生活に根付いた昔からの知恵というわけです。

弱った胃を胃腸薬でケアするのはもちろんですが、やさしい味わいの七草がゆを作って、家族みんなで囲んで        みてはいかがでしょうか?                                                          正月7日の七草がゆは、疲れた胃腸への思いやりです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~