骨に必要な栄養素といえば、まず思いつくのはカルシウムです。

強い骨を形成するためには、カルシウムをしっかりと摂取することはもちろん大切ですが、カルシウム以外にも大切な栄養素があります。それは、マグネシウム・ビタミンD3・コラーゲンです。これらが不足すると、骨粗鬆症や変形性関節症を引き起こしやすくなります。

マグネシウム:骨の構成成分で、骨の代謝を改善するなど骨の形成に必要なミネラルです。

ビタミンD3:カルシウムやマグネシウムの吸収を促進し、骨をつくるのを助けます。

コラーゲン:骨を形成する重要な成分。関節の滑らかな動きに関わっています。

カルシウムを含めたこの4成分が協力し合って骨密度と骨質を改善し、強い骨になります。

 

さらに、漢方では腎が骨・骨髄に関係していると考えており、、骨を丈夫にするためには補腎剤が有効といえます。

また、強い骨つくりのためには、骨髄の血流がよくなるように、アミノ酸をバランス良く摂取したり、身体を温かくしたり、体を動かすことも大切。ウォーキングなどの運動は骨に刺激を与えることで骨密度を高めることはよく知られています。

これらの栄養素や漢方薬の摂取と工夫は、骨密度が低い方、背が伸び悩んでいる方、骨髄炎の回復が悪い方の解決の一助になることと思います。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

ご覧になった方も多いと思いますが、先週末の夜NHKの番組で漢方が取り上げられました。

この中で、抑肝散という漢方薬によって、認知症で起こりっぽい患者さんが服用したところイライラが落ち着いた症例と、表情がこわばって足のふるえが止まらない方が服用したところそれらが和らいだ症例が紹介されました。

抑肝散は柴胡・甘草・当帰・白じゅつ・ぶく苓・釣藤鈎からなる方剤で、平肝そく風・疏肝健脾の効によって、肝欝化風のけいれん・歯ぎしり・いらいら・不眠などを解消することに用いられます。乳幼児のひきつけ・むずがり・夜泣き・歯ぎしりに対して用いられることもあります。

近年は、いらいらや気持の高ぶりを和らげる効果を期待して認知症の患者さんによく使われるようになっています。目的は、認知症の方に多く見られる興奮・イライラを取り除いて、生活の質を高めること。

興奮が落ち着いた結果として、意思表示がしやすくなったり人の話をよく聞けるようになり、表に現れる認知症の症状が和らいだように見えるかもしれません。ただ、脳自体を回復させる薬ではないことを認識しておく必要があります。

また、ふるえに運用する場合には、詳細な弁証が必要です。漢方には、標治と本治という考え方があります。標治とは表面に出ている症状を和らげること、本治とは症状が出るに至った原因を整えること。

抑肝散は、標治にも本治にも働く方剤ですが、運用する場合には詳しい弁証が必要です。また、ふるえにはいろいろなタイプがあるので、全ての方に合うわけではありません。

認知症で服用する場合でもふるえで服用する場合でも、専門家の客観的な判断を受けてから服用することをお勧めします。

 

      ~薬剤師 鳥居英勝~

サントリーセサミンのCMを見た。売り文句は、『セサミンでアンチエイジング』。

この商品は、もともとゴマはなぜ酸化されにくいかから開発されたらしい。突き詰めていったらセサミンという物質がゴマには含まれていて、それが強い抗酸化力をもっているからとわかり、そのセサミンを凝縮したものにビタミンEや他の物質を添加して製品化したのがサントリーセサミン。40才以降の老化防止に役立てたい商品のようである。

やはり酸化防止→老化防止。

前回このブログで、抗酸化力を高めるための食事やサプリメントなどを載せたが、新しい学説があるのでご紹介しようと思う。

『アミノ酸をバランスよく摂取することが、成長ホルモンの産生を促して、こわれた細胞の修復を促し、細胞の老化を防ぐ。』とのこと。

アミノ酸はミネラルと同じく、必要な種類を適切な量でバランスよく摂取しないと十分に吸収されない。例えば、摂取すべき成分を摂らないと他の摂った成分が吸収されない。また、効果を期待して単一の成分を多く摂取しても、他の必要な成分をそれに合わせて多く摂取しないと多くは無駄になってしまう。

また、年齢・体格・身体を動かす量・疾患に応じても、身体が利用するアミノ酸の種類・量は異なるので、各々にあったアミノ酸の摂取が必要である。

日本人には、大豆→魚→肉の順で効率よくタンパク質を摂取できるようである。これらを踏まえて、良質のタンパク質を適切な量摂取することが大切。

私は、良質なアミノ酸として『レバコール』という製品を飲んでいる。鰹の肝臓を原料とした天然のアミノ酸製剤で、身体への吸収がすばらしく良い。また、ビタミン・ミネラルも天然型で含まれており、身体の代謝も良くしてくれる。飲むととにかく身体が楽になる。

また、成長ホルモンは夜10時から深夜2時に多く放出されるが、この時間は落ち着いた状態で床についていることが大切である。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

この所、身体が老化する原因の1つに水の老化があって、水すなわち体液をきれいに保つことで老化が緩和できるのではないかと思っている。

では、体液をきれいに保つはどのように水を飲んだら良いか、大雑把に考えてみたい。

大事なのは、『水自体の質』と『いつどれくらいの量の水を摂るか』である。

質については、活性酸素を除去できるような活性水素水で、身体の液性を酸性にしないように弱アルカリ水、細胞への通いが良くなるようなクラスターの小さい水が良い。

原発事故以降、水道水への放射性セシウムの混入が気になる場合には、逆浸透膜式の浄水器を使うと良いらしい。

問題なのは摂り方。いくら水自体が良くても、摂り過ぎれば毒になる。漢方では水毒ということばがある。水毒はアレルギー、不妊症、浮腫みなど様々な不具合の原因になりうる。元々腎臓・心臓・肺が弱い方などは、特に注意が必要になる。また、年齢や運動量によっても必要量は違ってくる。一人ひとりに合ったのみ方があり、一言ではあらわせない。

先に述べた、活性水素水(還元水ともいう)、アルカリ水、クラスターの小さい水を毎日飲むためには、特殊な浄水器を使う必要がある。機能的に信頼できる機種になると、30万円は下らない。長く使うことになると、フィルター交換などのランニングコストや、待機電力もバカにならない。

では、そのような水を飲んだのと同じ効果を得るにはどうしたらよいか。一番大事なのは毎日の食事。活性酸素を取り除くためには、ビタミンC・ビタミンE・ビタミンA・フラボノイドが良い。血液をアルカリ性にするには青物が良い。それらを両方得るためには、やはり野菜が良い。生野菜・色の濃い野菜、これらをしっかり採ることが大切である。フレッシュな果物に含まれるビタミンCも有効。また、カルシウムを多く摂ると体液のアルカリ化に役立つ。カルシウムを多く摂るためには海藻が最高である。※カルシウムを摂ろうと牛乳を沢山飲むと血液は酸性に傾くので要注意。

また、サプリメントも効果的である。抗酸化物質の素材としては、やはりイチョウ葉エキスのフラボノイドが良いようである。多くのメーカーが出しているが、とにかくドイツのシュワーベ社のものが良い。主成分のフラボノイド(3種)の配合比率が安定していることと、精製によって不純物が少ないこと、そして何よりも国内外でのEBMが充実していることが決めてである。

体液をアルカリ性にするには、青物由来の製剤であるクマ笹エキス・青汁、カルシウム剤などが挙げられる。有効成分が活きていて、体内への吸収率が良いものを選ぶと良い。

私は、毎日イチョウ葉エキスとサンクロン(青汁)を飲んでいる。子供が甘い物を食べすぎた日には、血液をアルカリ性にする目的でプログリーン(青汁)を飲ませている。プログリーンは、甘い物を食べすぎて体液が酸化して身体が痒くなった時にはてきめんに効く。感染症予防にと毎晩舐めさせている手造りの梅肉エキスも体液のアルカリ性維持に役立っていると思う。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

老い その2

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先日、老化防止のために良い水を飲むと良いかも知れないと記したが、案外的を得ているかもしれない。

というのも、細胞を老化させる最大の要因は、活性酸素。体液中の活性酸素を除去できれば細胞の老化を防ぐことが出来る。

抗酸化物質として、ビタミンC・ビタミンE・フラボノイドが知られている。フラボノイドにもいろいろな種類があって、イチョウの葉エキスが効率が良い。

抗酸化物質による効果は体液→血液→細胞と広範囲に及ぶ。この中で、血液の酸化防止は重要で、血液の粘度を下げて血流を良くすることにつながる。

血流が良くなれば、頭はスッキリするし目や耳の働きも良くなる、皮膚には栄養が届くのでみずみずしくなるし、筋肉に血が流れるので痛みにも良い、損傷した関節の回復の助けにもなるだろう。体中に血がめぐれば冷えの解消にもなるし、子宮を中心とした女性器官に血がめぐればその機能が高まることが期待できる。また、代謝が良くなるので肥満解消にもなるし、低体温が改善されて免疫力もアップするだろう。

血の流れを良くするための色々なお薬や健康食品があるが、その基礎になるのが抗酸化物質ではないかと思う。抗酸化物質を適度に摂取して、動くことで、サラサラした血液が全身にながれて、上に記したような効果が期待できるのではないか。

話が水からそれて血になってしまったが、血液を構成しているのは水だから関連している。きれいな水を摂取し、良い血液を造ることが老化防止のみならず快適な生活を送るために大切な事だと思う。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

餃子のこと 24/2/1

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宇都宮が餃子消費量日本一から陥落したらしい。このことには、原発事故が影響しているのではないだろうか?

これまで、餃子の人気店には土日ともなると昼から夜まで行列ができていた。東京や神奈川から旅行を兼ねてきたという若者にもあったことがある。

事故以降、福島からより遠いところに住む人が、あえて福島原発に近いところに出向いて食を楽しもうと思うだろうか?セシウム汚染は風評ではなく実害である。今日の国会中継でも、福島原発から300km四方ではセシウムの影響が懸念されているとの話があった。

東電にひとこと言ってやりたいというのが、餃子で町おこしをしてきた人達の今の心境だろう。

放射性物質の問題は、まさに現在も進行中である。今日も夕飯を食べる子供の顔を正面にみながら、大丈夫なんだろうかと考えてしまった。

いくら遠くのものを食べようとしても限界がある。事故から約11ヶ月たち、多少気が緩んだのか、セシウムを気にすることを忘れてしまうこともある。

悪い意味で慣れてしまっている。今一度気を引き締めて、毎日の食生活で『安全な食材を使うこと、リスクの高い食品は口にしないこと、細胞の健康を保つ栄養学を実践すること』を心掛けたい。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

老い 24/2/1

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髪が抜ける、歯が抜ける、目は見え難くなり、膝と腰は弱くなる。集中力が続かない、忘れっぽくて、疲れやすくなる。筋力は弱って、持久力が続かない。食欲がなくなり、肌のハリがなくなる。

思い当たる老化現象を列挙してみた。

これらは全て、漢方でいうところの腎・脾・肺の機能低下と関係が深い。特に腎との関係が深い。『補腎』といって、腎を養っていくと老化を防ぐことが出来るいわれている。

腎脾肺を並べて見ると、これらは全て、『身体の水液代謝をつかさどる要諦』であるということに気づく。腎脾肺の機能低下=水液代謝機能の低下。ということは、老化には水が深く関わっているのではないか。

体内に老廃物を残さず、いつもきれいな水がめぐっている状態が、細胞を若々しく保ち、機能を元気に保つのに必要なことなのではないだろうかと思う。そうなると、きれいな水を飲まなくてはならない。

書きながら、自分でも多少の論理の飛躍を感じるが、漢方の考え方としてはそんなにおかしくはない。北京中医薬大学に通っていた時に、先生が『ミカンのしぶかわには血の巡りを良くする作用があると思う。理由は、広げたときの形が血管網のようだからである』と真面目に言っていたのを聞いた覚えがある。今から15年くらい前のことである。その後、正にミカンのしぶかわに『ヘスペリジン=ビタミンP』が多く含まれていて、このヘスペリジンには血流を良くする作用があることがわかり、現在健康食品に配合されている。漢方的なそれなりの根拠から導き出した結論の科学的証明はあとからついてくるのが漢方の掟である。気にせずに考えて参りたい。

きれいな水とは何か。クラスター(水分子がくっついた状態)が小さく、不純物が少ないものが良い。活性水素水(活性酸素を除去する)であればなお良い。ミネラルも適度に含んでいると良いだろう。

毎日このようなきれいな水を摂取し、身体をあたたかく保ち、適度に身体を動かす。そうすることで、細胞の代謝・老廃物の排泄がうまくいき、身体の若さを保つカギになるのではないかと思う。

      ~鳥居 英勝~

地震が必ず来るようである。先日ニュースで南関東直下型地震が4年以内に70%以上の確立でおきると報道があった。東大の研究者が根拠を元にして発表している。

易学の専門家も、今年大きな地震があると予告している。易とか占いとかには科学的根拠が感じられないため軽視していたが、易学は長い時間をかけて自然現象から導き出した統計学であろう。漢方も、理論の根拠は同じである。実際に漢方の理論に従って正しく治療をすると効果がある。易学者の予告を無碍にすることは適当ではない。長年をかけて積み重ねたデータを元にした統計学から導き出された結論として、参考にするのが適当だろう。

早急に、関東近辺で直下型地震が起きた場合への備えが肝要である。

もしも起きてしまった場合、このあたりでは大規模な電力の不通がおきるだろう。そうなったら水道、ガスを合わせたライフラインも不通になってしまう。テレビやラジオは大丈夫なのだろうか?東京がやられたらそれらの発信元がだめになって、何の情報も得られなくなってしまうのではないだろうか?電気も水道もガスも情報も途絶えた中で、復旧を待つ間生き延びるための準備をしなければならない。

第一に、水・食糧・電力を確保する必要がある。水はペットボトルを買い込んでおけば良い。食糧は、何としても米と塩・味噌醤油は確保しておきたい。電力は、灯油・発電機・ガスコンロとカセットガス。これは必要である。寒い今の時期は、石油ストーブもなければならない。乾電池もあった方が良いし、充電式乾電池もあれば助けになるだろう。発電機から各電器機器を連動させる工具や技術も必要になる。

幸いにもここ鹿沼市は、地盤が安定しているし津波も来ない。日照時間も長く、水も豊富である。これまでやったことなかったが畑を耕して食べ物を作ることも必要になってくるかもしれない。その時に備えて種と肥料も買っておくべきか。

これだけしておけば、とりあえず生きるには困らなそうである。

 

地震の規模によっては、国内の全てが大変な状況に陥る可能性も否定できない。北海道から沖縄にいたる広範囲で、地震によるインフラの破損によるライフラインの断絶、津波・原発事故による大規模な環境被害が起こる恐れもある。仮に発電所や送電網の要所がやられてしまったら、電気の回復は容易ではない。

そうなった時だれが助けてくれるのか?日本の被害の少なかった場所の人達、海外の救援隊、自衛隊の方たちが頑張ってくれることになるのだろうが、ライフラインが復旧するまでだけでもかなりの時間を要しそうである。

また、日本の経済はどうなるか?株価暴落、国債の信用低下、円安、インフレ・・・。どうにもならない。

悲観的になってもしょうがない。まず、生き延びる準備をしておこう。阪神の大震災のときは、タンスの下敷きになって被害にあう方が多かったそうである。寝ているときは無防備である。寝室にある倒れてきそうな物をよけることから始めようと思う。

       ~鳥居英勝~

見方を変えると、というよりも角度を変えてみると新しい発見があるらしい。ここ数ヶ月間高速道路を利用することが多いのだが、昨日バックミラーを通して自分の顔をみたときふと気づいてしまった。

頬骨の辺りにシミがある。洗面台に立って正面からみたのでは気づきにくい場所である。学生時代に真っ黒に日焼けした後遺症が今頃出てきたらしい。そういえばその当時、20年くらいするとシミになるぞといわれたのを覚えているががその通りになってしまった。まさに老化の証である。

自身の美容には頓着がないので放っておいても良いのだが、顔中に拡がっても困るので何かいい対策はないか考えてみた。

このような場合、皮膚科ではトランサミン(トラネキサム酸)+シナール(ビタミンC+パントテン酸)を処方する。

トラネキサム酸で血管外への出血を防ぎシミの元を断ち、合わせてビタミンCとパントテン酸でメラニン色素の形成を抑制しながら既成メラニン色素の還元を促進する。続けるうちに確かにシミが薄くなることが分かっている。

またある学会誌で、ビタミンCとビタミンEとパントテン酸を一緒に服用すると、色素沈着が防げるという論文を読んだことがある。市販だとハイチオールCがこの処方である。これもなかなか効果的のようである。

トランサミンもシナールもハイチオールCも、手を伸ばせば取れるところにあるのだが、この際自然薬でどうにかしてみようと思う。

大事なのは、『血管から血がもれるのを防いでシミの元を断つことと、抗酸化作用によってメラニンを防ぐ』こと。これは、ちょうど田七人参とフラボノイドで代用できる。

田七人参は、血管外からの出血を防ぎ、かつ血管内の血流は良くするという、相反する作用を有している。

フラボノイドには、抗酸化作用がある。いろいろな種類がある中で、イチョウ葉エキスが多くのEBMをとっており信頼性が高い。中でもドイツのシュワーベ社の製品が不純物が少なく、成分の含量が安定しているので良い。(シュワーベ社のイチョウ葉エキスは、ドイツとフランスでは医薬品として認可されている。)

この2つを併用して、今日からシミ改善の図ろうと思っている。2ヶ月後、ターンオーバーを2回経た頃には薄くなっていることを期待している。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

ブログです。健康には全く関係ない話で恐縮です。

今日の下野新聞、イチローのインタビューをご覧になったでしょうか。体力低下説に対して、痛快な意見を展開。『体力は落ちてない。そんなことを言う人と話しても面白くも何ともない。』とのこと。素晴らしい自信である。シーズンオフの今は、お腹がすいたらご飯を食べるように毎日筋トレとランニングをしているそうである。

とはいっても、人間誰しも筋力・瞬発力・神経の反応スピードは、嫌でも落ちるものである。スポーツ選手であれば、それを補うのが経験や技術であろう。今年200本安打を達成できなかったイチローだが、来年は経験にものをいわせて記録達成して欲しい。

そして、それでも第一線で活躍するのに無理がでたときには、潔く現役を引退し、後身の指導に尽力してもらいたい。スポーツ選手は引き際が大切である。

 

旧友が尋ねてきた。腐れ縁の仲である。黒服姿でおかしな名刺を持ってきた。怪しい雰囲気である。何でも宝石の買い付けをしているらしい。

『親を泣かすようなことをするなよ、正しくやれよ』と諭す。容姿で判断するのは良くないと思ったが、悪徳な商売をしているような気がして一言釘を刺しておいた。本人によると、真っ当なやり方で仕事しているそうである。その言葉を信じよう。

どんな商売でも、服装は大事である。ましてや飛び込みの営業職の場合はなおさらである。黒服の、衣装だかスーツだかわからないような格好ではまともに相手にされるはずがない。

うちには多くの営業の方がおみえになる。怖さを与えず、堅苦しくなく、気持ちよさを感じるのはどんな格好だろうか。

男性であれば、やはりスーツだろう。流行に左右されないフォーマルなのが良い。色は紺。靴は当然黒。ちょうど、医薬品メーカーの方がこのような格好である。

この方たちは、病院に行く機会が多く、そこでは医者や患者さんなど多くの人の目に触れる。万人に対して当たり障りなくいやみを与えない服装がこの格好なのだろう。

くすり屋という仕事柄、白衣が仕事着の私だが、うっかりすると汚れた白衣で店頭に立っていることがある。これからはより気を付けよう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~