» 2025 » 2 月 » 01のブログ記事

蓄え過ぎないことが元気に過ごすポイントです

冬は、春に芽吹き、夏に成長し、秋に収穫したものを貯蔵する季節から、漢方では閉蔵といわれています。体は暖かい季節に比べて食べ物が少なくなると想定して栄養(糖分・脂肪分・塩分)を蓄えようとし、心は日照時間が短くなる影響で内向的(ビタミンDの減少)になっていきます。この蓄える働きで気を付けないといけないことがあります。それは、良いものも悪いものも蓄えるということ。年末年始はいつも以上に飲み食いしてしまう時期です。消化吸収力を上回り消化不良がおきると、腸をはじめとして様々な場所に炎症が起こりやすくなります。

副腎から分泌されるコルチゾールは、炎症を鎮める働き、ストレスを和らげる働きがあります。年末年始は、飲み食いだけでなく生活リズムも乱れがちになります。その結果、コルチゾールの出番が多くなりすぎ、心身ともにバテてしまうのです。これが、新年の晴れやかな雰囲気とは裏腹に、なんだか憂鬱、仕事や学校に行くのが億劫と感じる要因になります。

心身を整えるには、はじめに消化機能を労わること、次に心のバテ(うつ症状=脳の炎症)、体のバテ(腸の炎症)を整えることです。炎症を鎮める油としてオメガ3が知られています。オメガ3は、細胞膜の材料となりますので細胞の活性化につながったり、脳を構成する材料にもなります。また、合わせてビタミンDも取り入れることで腸管粘膜を強くして、腸内細菌のバランスを取りやすくしてくれます。ビタミンDには脳内の神経伝達物質の働きを改善し、脳を保護する作用もあります。

オメガ3とビタミンDをまとめて摂れるものは、鱈や鯖、鯛などの魚です。合わせて大根や白菜、カブなどを一緒に食べると、消化を助けて未消化を防ぎます。それに加えて昆布やワカメを合わせると、余分な熱を冷まして水分代謝を高めてくれるので、浮腫みを改善するのに役立ちます。

これらを合わせた料理こそ、冬の定番の鍋料理です。まさに冬を元気に過ごせる料理だと思います。冬の旬の食材を取り入れて代謝を促すことは、春の花粉症のケアにも良いです。花粉症は免疫亢進になりますが、免疫の大元になる腸粘膜を冬の間に整えることで、春を快適に迎えることができるでしょう。

~薬剤師 鳥居英勝~