» 2011 » 8 月のブログ記事

食中毒が気になる時期になりました。何よりも予防が大切ですが、なってしまった場合の対処法をご紹介します。

下痢になったときは、脱水症状にならないことが大切です。毒素を排出するためにも水分補給は必要。良質の水を補給しましょう。回復食は、粥や野菜スープ、すりおろしたリンゴなど、胃腸への負担が少ない物から始めましょう。

細菌や毒素を排泄するのを助けるのに、ビタミンC、免疫力を高めるビタミンE、亜鉛、セレン、抗酸化栄養素(SOD)が助けになります。

食中毒の場合は、速やかに原因菌を排出しなければなりません。腸管の運動を抑制する成分が含まれた下痢止め薬は飲まないようにしましょう。 ☆ムラサキオモトという植物のエキスには、腸内の解毒作用があります。食中毒や食物性蕁麻疹の治りを早めるのに古くから使われています。ミラノンという商品名で市販されています。

通常の食中毒であれば、ほとんどが下痢や嘔吐などの軽症で終わり、適度な水分を補給して安静にしていれば2~3日で回復します。しかし、なかには腸管出血性大腸菌のように、死に至るケースもあります。特に、抵抗力の弱い子供や高齢者は重症化する傾向があるので注意が必要です。長時間下痢が続く、便に血や粘膜が混じる、嘔吐・発熱・激しい腹痛を伴うときは、医師の診断を受けるようにしましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

牛乳が必ずしも体に良い食品ではないということをご存知でしょうか。初めて知る方にとっては意外に感じる事と思います。私たちは小さい頃から、牛乳は栄養になる、カルシウムとタンパク質がたっぷりとれて体が強くなると教わってきました。当然学校給食でも毎日でてきて、何の抵抗もなく飲んで育ちました。食糧難の時代においては、栄養源として牛乳が担った役割は大きかった事と思います。ただ、食べ物が十二分に行き渡り栄養源としての存在価値が低下した今、さらに、生化学の進歩で人体での牛乳の悪い働きが分かってきた今、牛乳の価値を見直すべきではないかと考えています。

牛乳が、どんな理由で体に良くないのかを列記します。

①カルシウムとマグネシウムのバランスが悪い・・・確かに牛乳にはカルシウムが多いのですが、それに対するマグネシウムの量が1/10以下と少ない。牛乳を多飲していると、体内のカルシウムとマグネシウムのバランスが大きく崩れ、マグネシウムによるカルシウムのコントロール作用が正しく行われなくなります。そうなると、細胞が正しく機能しなくなります。

②脱灰を促進する・・・牛乳は動物性タンパク質であり、人にとっては異種蛋白です。これを摂りすぎると、体は抵抗性を働かせて酸性に傾きます。するとその酸を中和しようとして骨からカルシウムが溶け出してしまいます。骨を強くしようと思って牛乳をたくさんのむと、かえって骨がもろくなるというわけです。脱灰は、動脈硬化、神経系・運動系の不具合にもつながります。

③ホルモンの働きを乱す・・・牛乳には、子牛の発育に必要な成長ホルモンや、子牛の成長促進に関わるホルモン様物質が高濃度で含まれています。また、搾乳量促進のために人工的に投与されたホルモンや、妊娠中の牛から強制的に搾取することによる血液中の高濃度の女性ホルモンが移行することもあります。牛乳を飲むと、これらがそのまま人間の体内で成長ホルモンや女性ホルモンとして作用してしまったり、成長促進に関わるホルモン様物質の分泌を異常に促進することがわかっています。その結果、前立腺ガンや乳ガン、卵巣ガンなど、性ホルモン系のガンの発症リスクが高まる事がわかっています。

④農薬や抗生物質を取り込んでしまう・・・餌となる牧草にふりかけられた農薬が牛乳に移行している恐れがあります。また、感染症予防のために投与された抗生物質が牛乳に溶け込み、それを飲んだ人間の腸内細菌のバランスが崩れたり、耐性菌の出現につながったりしています。

⑤食性に適していない・・・日本人は、乳に含まれる乳糖という物質の消化を苦手にしています。そのため、日本人が牛乳を飲むと消化に負担がかかり、お腹がゴロゴロしたり便がゆるくなったりする乳糖不耐症が起こることが多いといわれています。また、牛乳中の未消化タンパク質による食物アレルギーが起きることがあります。さらに、未消化の牛乳成分がモルヒネのような物質に変化し、脳に重大な悪影響を及ぼすことも懸念されています。

⑥貧血のリスクが高まる(特に乳幼児)・・・牛乳には母乳の6倍ともいわれるほど大量のリン及びリン酸が含まれています。このリン酸は、食べ物の中の鉄と結びついてリン酸鉄となり、鉄の吸収を阻害してしいます。特に2歳くらいまでの子供では、鉄欠乏性貧血を起こしやすくなることが知られています。大人においても注意が必要で、鉄は赤血球の中で酸素の運搬役として働くだけでなく、神経伝達、エネルギー産生、抗酸化、解毒といった様々なシステムに不可欠なミネラルですが、このような機能にも支障をきたす恐れがあります。また、リンは体内でカルシウムと拮抗し、リン酸を過剰摂取すると血液は酸性に傾いて脱灰促進をきたすので、これらは骨をもろくしてしまいます。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

世界には、自ずと放射線レベルが高い地域があります。テレビなどでは、それと日本各地の放射線レベルを比較して、この程度であれば安心だとの報道がなされます。元々レベルが高いところに住んでいる人がなんでもないんだから、こっちでも大丈夫だろうということでしょう。

確かに数字だけみればその通りです。ただ、実際には単純に数字だけでみてはいけない条件があることをご存知でしょうか?

条件として、遺伝子の違いがあります。何世代にもわたって、自然放射線が高いレベルに住んでいる人には、遺伝子レベルで細胞の修復を高める機能が備わっていて、自然放射線から体が守られています。それに対して日本では急に放射性物質が降ってきたのですから、当然遺伝子レベルで対応することはできません。すなわち、体は放射線への耐性を持っておらず、ダイレクトに細胞や遺伝子が傷つけられてしまいます。

このことから、自然放射線の高いレベルと、原発事故後の放射性物質による汚染のレベルを、同じ土俵で比べる事はナンセンスだといえると思います。

ラドン温泉など放射性物質を利用した湯治場と比較するのもナンセンスでしょう。なぜなら、温泉で受けるのは外部被曝のみであり、さらにせいぜい数週間という短時間の被曝だからです。低線量を外と内から長く受け続ける原発事故による環境汚染と同じ土俵で論じる事はできないでしょう。

別の自然放射線の話題として、国際線の飛行機は放射線レベルが高いことが知られています。

以前知り合いの医師から、国際線のパイロットは退職後に脳腫瘍にかかる率が高いと聞いた事があります。高度10kmを飛ぶ飛行機には、地表に比べてかなり多くの放射線が降り注いでいます。客室ですら高いのですから、ガラスばりのパイロット席はもっと高いのでしょう。そのため、その部分のガラスには遮蔽するために金が組み込まれてあります。しかし、それでも放射線の影響は防げないのでしょう。

統計があるかないか分かりませんが、元々自然放射線レベルが高い地域出身のパイロットでは発癌率が少ないかもしれません。

 

一説によると、自然放射線と原発から発せられた科学的な核種からの放射線とでは、体への影響の度合いがそもそも違うということも聞きます。我々は、耐性を持ち合わせていない上、これから長期間に渡って外側と内側から危険な性質の放射線を受けながら生活して行くことになります。余分な被曝は極力減らしていきながら、このブログでも記したような養生をして行くことが必要であると考えております。

      ~薬剤師 鳥居英勝~