» 2011 » 8 月 » 03のブログ記事

食中毒とは・・・食中毒の原因となる微生物(細菌やウィルスなど)が付着した食品や、化学物質(農薬・有害重金属の混入など)、自然毒(フグ毒、貝毒、毒キノコなど)のような有害物質が含まれた食品を食べることによって、嘔吐・腹痛・下痢・発熱・悪寒・頭痛などの健康障害が起こることをいいます。

好発時期は・・・毎年6~9月にかけてが最も多く、年間発生件数の半数以上がこの間に集中しています。これは、高温多湿の気候条件が、食中毒の原因菌の増殖に適しているためと考えられます。

原因は・・・海水中に生息し魚介類と密接に関わりのある腸炎ビブリオ、また、牛・豚・鶏などの大腸菌に由来するサルモネラ菌・ウェルシュ菌・カンピロバクター菌など。

予防法は・・・食品の管理と保存、調理法に注意することが大切です。手洗いの徹底も大切。消毒には逆性石ケンやアルコールなど市販の医薬品も有効です。まな板、包丁などの調理器具、布巾やスポンジ類は、常に熱湯消毒してから使うようにしましょう。食材は流水でよく洗い、生肉・生卵は避けて十分に加熱しましょう。

食養生は・・・味噌・納豆・漬物などの発酵食品や植物性乳酸菌のサプリメントを使って、腸内の善玉菌を増やし、細菌に感染しにくい環境を整えましょう。食物繊維が豊富なイモ類・豆類をたくさん食べましょう。ニンニクやショウガ、トウガラシなど殺菌作用のある食材や、オリーブ油・亜麻仁油・酢・梅肉などの細菌の増殖を抑える食材を上手く活用しましょう。

      ~薬剤師 鳥居 英勝~

食中毒が気になる時期になりました。何よりも予防が大切ですが、なってしまった場合の対処法をご紹介します。

下痢になったときは、脱水症状にならないことが大切です。毒素を排出するためにも水分補給は必要。良質の水を補給しましょう。回復食は、粥や野菜スープ、すりおろしたリンゴなど、胃腸への負担が少ない物から始めましょう。

細菌や毒素を排泄するのを助けるのに、ビタミンC、免疫力を高めるビタミンE、亜鉛、セレン、抗酸化栄養素(SOD)が助けになります。

食中毒の場合は、速やかに原因菌を排出しなければなりません。腸管の運動を抑制する成分が含まれた下痢止め薬は飲まないようにしましょう。 ☆ムラサキオモトという植物のエキスには、腸内の解毒作用があります。食中毒や食物性蕁麻疹の治りを早めるのに古くから使われています。ミラノンという商品名で市販されています。

通常の食中毒であれば、ほとんどが下痢や嘔吐などの軽症で終わり、適度な水分を補給して安静にしていれば2~3日で回復します。しかし、なかには腸管出血性大腸菌のように、死に至るケースもあります。特に、抵抗力の弱い子供や高齢者は重症化する傾向があるので注意が必要です。長時間下痢が続く、便に血や粘膜が混じる、嘔吐・発熱・激しい腹痛を伴うときは、医師の診断を受けるようにしましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~