» 2010 » 1 月のブログ記事

しもやけは正式には「凍そう」といいます。昔は良く見られた疾患でしたが、最近ではあまり見かけることはなくなりました。

しもやけの主な原因は、寒冷刺激の反復です。動脈と静脈は温度の感受性反応に差があります。寒冷によって動脈と静脈はともに収縮しますが、動脈が加温によってすみやかに拡張するのに対し、静脈は比較的長時間収縮したままとなります。急激な温度変化に末梢血管の収縮拡張が追いつかないため、急速に浸出液が組織に出て、うっ血、炎症が起こります。これがしもやけです。体質、栄養状態、生活環境、副交感神経の緊張なども関与しています。近年はほとんど見られなくなりましたが、その背景には栄養状態の改善、衣類の防寒機能の向上、暖房設備の充実などの生活環境の影響が大きく関わっています。

しもやけの症状として、学童はうっ血性の浮腫、成人は湿潤性紅斑が良く見られます。好発部位は循環障害が起こりやすい末梢部で、手足の指先、鼻の頭、耳たぶに起こりやすく、温まるとかゆみが増します。厳寒期よりも初冬や初春に起こりやすい傾向があります。

治療には、ステロイド外用剤の塗布、ビタミンE剤などの血管拡張剤の内服を行います。漢方薬も有効です。また、寒冷刺激を避け、患部の保温、乾燥に努めることも大切です。 

       ~薬剤師 鳥居英勝~

排尿困難とは、尿意を感じトイレに行ったのに、行っても十分に尿が出ないまたは出にくい状態です。尿の勢いが弱い・とぎれる・時間がかかるなど、尿が出にくい状態を排尿困難、尿が溜まっているのに全くでない状態を尿閉といいます。

原因は様々で、神経因性膀胱(膀胱の動きをつかさどる神経の障害による排尿障害のこと。脳梗塞、ヘルニア、糖尿病性抹消神経障害などでおこる。)、アルコールをたくさん飲んだとき、冷え、男性では前立腺疾患(前立腺肥大症、前立腺がんなど)があります。

医薬品が原因となることもあります。頻尿・尿失禁治療薬、抗不整脈薬、抗アレルギー薬、抗精神病薬、総合感冒薬(市販薬を含む)などは、膀胱の収縮を弱くして尿を押し出すことが出来なくすることがあるので注意が必要です。また、モルヒネなどの麻薬も、おしっこを出すという指令がうまく出なくなることにより排尿困難を引き起こすことがあります。

       ~薬剤師 鳥居英勝~