» 2009 » 12 月のブログ記事

厚生労働省より「ジヒドロコデインリン酸塩」配合製品の使用上の注意が改定される旨の通知(平成21年12月1日付事務連絡)が出されました。

内容は、「授乳中の人は、ジヒドロコデインリン酸塩」が入ったお薬を服用してはいけない。服用する場合は授乳を避けなければいけない。」というものです。

このよう通知が出された理由は、海外でコデインを服用した授乳婦において、コデインの代謝で生じたモルヒネが乳汁に移行し、これを飲んだ乳児にモルヒネ過剰摂取による呼吸抑制などの副作用があらわれた事例が報告されたためです。コデイン(ジヒドロコデインを含む)を極めて迅速に代謝する特定の酵素を持っている人で報告されているため、モルヒネが急速に生成されて母乳中の濃度が通常より高くなったことが原因と考えられます。

ジヒドロコデインは、市販の風邪薬や咳止めに広く使われています。今のところ、日本国内の一般用医薬品においては上記の副作用は報告されておりません。

       ~薬剤師 鳥居英勝~

女性の2人に1人が便秘の悩みを抱えています。元来農耕民族である日本人は消化しにくい食物繊維に対応するため、狩猟民族の欧米人よりも腸が長くできています。ところが現代は食生活の欧米化が進んだため、長い腸は便秘を起こす要因となっています。また、女性は女性ホルモンの影響や筋肉量が男性より少ないこと、冷え性になりやすいことなどにより、男性よりも便秘になりやすいのです。最近では、若い女性を中心にダイエットの悪影響として便秘になる人も増えています。

便秘で悩む方の大きな助けとなってくれるのが“便秘薬”です。しかし、残念ながらこの便秘薬は間違った使い方により身体を害してしまうケースが多く見られます。その中でも多くみられるのが、便秘薬が効かなくなってしまうという症状です。作用の強い便秘薬は頻繁に使うと徐々に腸の感受性が低下する「慣れ」が起こり、その結果どんどん量が増えてしまう傾向に陥ってしまうのです。これは、便秘薬の中でも合成系の成分や単一成分を用いたもので起こりやすいとされます。

このような便秘事情の中でお勧めしたいのが“大草丸(タイソウガン)”。天然生薬だけを用いた便秘薬ですが、その絶妙な生薬の働きが評価され、ご年配の方はもちろん、若い女性の方にもお喜びいただいております。生薬というと従来効き目が弱いと思われていましたが、この大草丸を使った方の多くが、そのしっかりとした効き目に驚かれています。

効き目の秘密は4つの生薬。大草丸にはダイオウ・センナ・アロエの3種類の生薬が配合され、これらはお互いにその力を引き出す相乗効果により効果的に大腸を動かします。また、生薬のマシニンが腸の中で潤滑油として働き、カチカチになった便をスムーズに排便させてくれます。また、これら生薬の相乗作用により、便秘薬の「慣れ」を防ぐ効果もあります。さらに、生薬のマシニンによる潤滑効果に加え、シャクヤクとカンゾウという2つの生薬が便秘薬の腹痛の原因となる大腸の余分な働きを抑えてくれます。

    ~薬剤師 鳥居英勝~

夏場に流行をみせたインフルエンザですが、本格的な冬を迎えさらに流行することが予想されます。インフルエンザの予防には、風邪と同様うがいと手洗いが大切です。外から帰ったら手洗いとうがいを習慣づけましょう。

ポイント1 マスクの着用で感染拡大を予防!

かぜもインフルエンザも初期症状に大きな違いはありません。風邪かな?と感じたら“せきエチケット”を心がけ、マスクをするようにしましょう。マスクの着用については、隙間なく顔を覆うことが出来なければ感染予防にはあまり効果がないといわれていますが、感染拡大の予防・のど粘膜の乾燥防止には効果があります。マスクは、鼻・顎・頬に隙間が出来ないように着用しましょう。

ポイント2 栄養バランスのある食事で抵抗力を!

風邪の予防には、抵抗力を付けておくことも大切です。抵抗力を高めるには栄養バランスのとれた食事、規則正しい生活、適度な運動が基本。過度のストレスは免疫力を低下させますのでストレスはためない工夫も必要です。また、体温が36.5℃以上だと免疫力が高まるといわれています。

ポイント3 正しい手洗いを!

指の間、爪、手首までしっかり洗いましょう。できれば顔も洗い、うがいも忘れずに。

ポイント4 室温と湿度に注意しましょう!

室温を20~30℃、湿度を55~65%にすると、ウイルスの感染力が弱くなります。1㎥あたり11g以上の絶対水分量が必要です。

ポイント5 甘草で免疫力のアップを!

インフルエンザ対策として注目されているのが甘草。有効成分のグリチルリチンがインターフェロンγの産生を誘導し、インフルエンザウィルスに対する免疫力が高くなるというマウスでの実験結果もあります。またNK細胞も活性化することが分かっています。免疫力を高めるために甘草エキスも活用しましょう。また、腸内環境を良くして腸管免疫を高めることも大切です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~