» 2008 » 12 月のブログ記事

新型インフルエンザなど、流行性感染症の予防にはマスクが欠かせません。                             以前はマスクといえばガーゼマスクが一般的でしたが、近年は紙マスクが良く使われており機能も高くなっています。

中でも、N95規格といって0.3μgの粒子を95%以上捕集できるマスクが注目されています。                   このマスクを正しく着用すると、結核菌や多くのウィルスが口や鼻から体内に入り込むのを防ぐことが出来ます。        医療施設で使われているのもこの規格のマスクです。                                           N95規格のマスクは従来の紙マスクより単価は高いですが、一般にも市販されています。

高機能マスク全般にいえることですが、インフルエンザやノロウィルスなどの感染症が流行している時にはかなりの品薄になります。流行に備えて、あらかじめご家庭に備蓄しておくことも大切です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

砒素(As)は、動物にとって必要な必須元素として知られています。                                  一方で、摂り過ぎると急性・慢性の中毒症状が起こる危険がある微量元素です。

水中で育つ魚介類と海藻類には、砒素が多く含まれています。この中で、海藻類には“無機砒素”という毒性の強い砒素が多く含まれていることが知られており、摂取量には注意が必要だといわれています。                          海藻類の中で、特に無機砒素の含有量が高いのはヒジキです。イギリスでは健康障害を危惧して摂取が禁止されています。日本では、海藻を多く食べる習慣もあり、特に制限されていません。

無機砒素は、胎盤を通過するので胎児への影響が心配されますし、乳幼児では中枢神経障害が発生する危険性があることが指摘されています。

ヒジキ以外の昆布、わかめ、海苔などの海藻類には無機砒素はあまり含まれておらず、より毒性の低いジメチルアルシンという砒素が含まれています。

海藻にはミネラルなどが豊富に含まれており、積極的に摂取することが望まれています。特にヒジキには、Caや食物繊維が多く含まれており昔から良く食卓に並ぶ食材です。                                              健康のためには、偏りなく色々な食材をバランス良く摂取することが大切なようです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

双参は、身体に元気をつける漢方薬です。

薬用人参と刺五加(=エゾウコギ)の2味からなるシンプルな処方で、漢方薬にはめずらしくとても甘くておいしいお薬です。                                                                                 滋養強壮に薬用人参が良いことは広く知られていますが、漢方的には身体の気を高めて血を増やし、身体を温める働きがあります。                                                                       双参は、滋養強壮はもちろん、人参と刺五加の相乗効果で“強い冷え”に良く効き、若い方からお年寄りまでの、手足の冷えから腰の冷えにいたる全身の冷えの改善に役立ちます。

人参には、体力を強くし、免疫力を高める働きがあります。                                                   虚弱な方や風邪を引きやすい方などは、インフルエンザなどの感染症の予防のためにも飲んでおくことをお薦めします。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

生脈宝は、身体を潤わせる漢方薬です。

人参・麦門冬・五味子の3味からなるシンプルな処方で、身体の水分不足(=津液不足・陰虚体質)の改善や、それに伴う諸症状の緩和に役立ちます。                                                          寝汗など、不必要な発汗を抑える作用もあります。

大汗をかく夏場などには、脱水症の予防のためにペットボトルに1包を入れて、のどが乾いたら飲むようにすると安心です。                                                                                                                また、近頃健康雑誌などで取り上げられている“ドライシンドローム(=身体の色々な部位の渇き)”が気になる方にもお薦めです。

“脈を生む”と命名されている通り、中国では不老長寿の薬として重用されている漢方薬です。                     中国政府の要人達も服用しているようです。                                                          

      ~薬剤師 鳥居英勝~

排膿散及湯は、化膿症に効く漢方薬です。

おでき、にきび、歯肉炎など、細菌感染により炎症をきたした症状の改善に有効で、『漢方の抗生剤』ともいえるお薬です。  疲れがたまると歯肉炎がひどくなる方は、症状が気になり始めたら早めにのんでおくとひどくならずに済みます。        また、ちょっとした傷や、虫に刺さされで“化膿しやすい体質”の方は、そのときに飲んでおくと治りが早まります。        

とっさの時にすぐ服用できるように、薬箱に入れておきたいお薬です。

       ~薬剤師 鳥居英勝~

百薬の長といわれるお酒も、飲みすぎると毒に。                                              過量飲酒による心身への影響をまとめると、次のようになります。

脳疾患・・・外傷、内出血、大脳萎縮、記憶障害、認知症、小脳障害                                  精神 ・・・離脱症状、うつ、幻覚、妄想、てんかん発作                                           口腔・咽頭・・・虫歯、歯周病、舌の異常、口腔ガン                                            食道 ・・・食道炎、食道ガン、食道静脈瘤、嘔吐に伴う出血                                        心臓・循環器・・・不整脈、心臓肥大、心不全、高血圧                                          肝臓 ・・・脂肪肝、アルコール性肝炎、肝硬変、肝臓ガン                                        胃・腸・・・胃炎、潰瘍、消化吸収不良、下痢、大腸ガン                                          膵臓 ・・・急性膵炎、慢性膵炎、膵石症                                                   男性系・・・男性ホルモン低下、睾丸萎縮、ED                                               女性系・・・月経/卵巣機能不全、早期閉経、胎児性アルコール症候群                                皮膚 ・・・色素沈着、手掌紅斑、クモ状血管腫                                                抹消・筋肉・骨・・・抹消神経炎、筋肉、骨粗鬆症、大腿骨頭壊死                                    血液・代謝・・・貧血、免疫異常、糖尿病、脂質異常症、痛風 

一方で、適量の飲酒は精神をリラックスさせ、食欲を増進させます。また、身体をあたため安眠にも役立ちます。                                       毎日の健康のためには、自分の身体にあった『適量』を見つけ、それを守るようにすると良いようです。                                     ・・・・・・世界の100歳以上の方にアンケートを取ったところ、『全くお酒を飲まない』方がほとんどだったそうです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~                                                                             

                           

妊娠中の飲酒は危険です。胎児の先天性欠損の原因となるほか、流産の可能性を高めます。

アルコールは母体の胎盤を通過し、胎児の血液循環に進入します。この有害物質は胎児の中枢神経系を低下させます。   さらに、胎児はアルコールを代謝しようとしますが、胎児の肝臓は十分に発達していないため、アルコールが血液中に残存してしまいます。                                                                   妊娠中に飲酒していた妊婦から生まれてくるこどもは、一般的に出生時の体重が小さくなります。                 成長も妨げられたりすることから、脳が通常より小さく、知能低下や精神的な発達遅遅滞を起こしたり、四肢、関節、指や顔の特徴に奇形が生じる場合があります。また、心臓や腎臓の欠陥、皮膚の異常などもみられます。                 子宮内でアルコールにさらされた子供は、思春期に多動症となり、学習能力に障害を示すケースもあります。          

妊婦が摂取するあらゆるお酒は、その子供が胎児性アルコール症候群をもって生まれてくるリスクや、流産の可能性を高めます。特に妊娠3~4ケ月の期間は、適量とされるアルコールでも有害になる恐れがあります。~予防医学ニュースVol238より

      ~薬剤師 鳥居英勝~