» 季節の養生法のブログ記事

近年、睡眠に関しての悩みを訴える方々が増えています。自律神経の乱れ、生活環境の変化に伴う精神的ストレスなど考えられる原因は様々です。また一年の間でも特に3月、4月は新入学・新社会人生活のスタート、引越しなど生活環境の変化が多くなり、普段なんともない方でも不眠になる方がいらっしゃいます。

不眠とは睡眠障害の1種で、夜間の睡眠トラブルのために昼間の日常生活に支障をきたす状態が続くことをいいます。24時間社会と呼ばれる現在、不眠の悩みを抱えている方は少なくありません。しかし、「不眠」と一言でいってもその原因や種類はさまざまです。不眠の種類を症状により大きく分けると、次の4つに分けられます。

<症状による不眠の分類>①入眠障害・・・床についてもなかなか眠れない②中途覚醒・・・夜中に何度も目が覚める③早朝覚醒・・・朝早く目が覚め、そのあと眠れない④熟眠障害・・・ぐっすり眠った感じがしない

不眠の症状はその原因を排除したり、生活習慣を見直すだけで改善されることもありますが、効果がみられない場合は睡眠改善薬などを用いて治療を行います。医療機関の治療では主にベンゾジアゼピン系の睡眠薬が用いられます。穏やかに眠りに導く効果の他に、不安を和らげる効果、筋肉の緊張をほぐす効果があり、薬によってそれぞれ発揮する効果が異なります。また、薬の効果がなくなる速さにより長短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型の4種類に分類されています。

それに対し、一般用医薬品の睡眠改善薬は主にジフェンヒドラミン塩酸塩製剤と生薬製剤です。ジフェンヒドラミン塩酸塩製剤は就寝前に服用することで効果を発揮しますが、15歳未満の小児・妊婦・授乳婦の方は安全性が確立されていないため服用できません。また、抗コリン作用を併せ持つため緑内障、前立腺肥大の方にも注意が必要です。一方、生薬製剤は飲んですぐに眠くなるわけではなく、毎日服用することで自然に近い睡眠が得られるようになります。症状からの使い分けを簡単にまとめると下記のようになります。

<症状からの使い分け>ストレスや心身の疲れが原因で寝つきが悪く、眠りが浅い場合(主に入眠障害)⇒ジフェンヒドラミン塩酸塩、酸棗仁湯。精神不安があり、高血圧の随伴症状として起こる不眠⇒柴胡加竜骨牡蠣湯。神経が高ぶり、緊張やイライラがあるような状態で、寝つきが悪い場合、眠りが浅い場合⇒抑肝散加芍薬黄連。

この他にも、脳をリラックスさせる栄養成分であるギャバ(γーアミノ絡酸)などの健康食品も自然な睡眠を得るのに役立ちます。

なお一般用医薬品の睡眠改善薬の適応は一過性の不眠(海外旅行による時差ぼけなど)で、1週間を超えない範囲とされています。したがって、日常的に不眠の症状がある方は医師の診療を受ける必要があります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

疲れるとなぜ甘いものが欲しくなるのでしょうか?・・・それは、身体がエネルギー補給を待っているからです。タンパク質などは、体内でいったん糖に変えられてエネルギーとなります。甘いものに多く含まれる糖分は即効性があり、素早くエネルギー不足を解消します。

疲れによいビタミンは?・・・ビタミンB1(豚肉・ニンニク・玄米など)/ビタミンB2(卵・牛乳・ほうれん草など)/ビタミンB6(魚・鶏肉・バナナなど)/ビタミンB12(レバー・貝・牡蠣・チーズなど)。それぞれが細胞の代謝にかかわる酵素の働きを助け、疲労の解消に役立ちます。

これから春にかけての季節の変わり目には、気温差などから体調をくずしがちで体力を消耗しやすいものです。疲れ解消の基本は食事と休息。毎日の生活を整えてみてはいかがでしょうか?

      ~薬剤師 鳥居英勝~

今年もつらい花粉症シーズンがやってきます。                                               今年の飛散開始は、平年並みかやや早まる見込みとのこと。                                      飛散量は、平均より3~5割増しになる可能性があり、特に東海・西日本では多くなると予想されています。

花粉症を少しでも軽く済ませるためには、抵抗力がある身体を作ることが大切。                           そのためには、基礎的な部分で食事から変えていくことも重要です。                                  バランスよく、規則正しい時間に、身体を温めるような食事を心がけましょう。

昔から日本人が摂取してきた、穀類・豆類・芋類や、自然の調味料(甘味は蜂蜜など)などの食材を摂取する          だけでも十分な対策になりえます。                                                      逆に、インスタント食品・甘い物や辛い物・アルコールは避けたほうが良いようです。

また、漢方薬や免疫ハーブなどの生薬製剤も花粉症対策には有効です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

pic_0160春の七草を、すべてご存知でしょうか?                                                 『せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ』━これが春の七草です。                   このうち、“なずな”はカブ、“ごぎょう”はハハコグサ、“はこべら”はハコベ、“ほとけのざ”はタビラコ、             “すずしろ”はダイコンとされ、これらを正月7日、おかゆに入れて食べる習俗が全国に残っています。

七草の種類は時代や地域によっても異なり、雪の多い地方では栗、串柿、ニンジン、ゴボウ、タラの芽             などを用いることもあります。

おかゆも七草も、胃腸にやさしい食べ物。この時期に『七草がゆ』を食べる習俗には、ちゃんと理由があります。       忘年会や新年会などの集まりが続く年末年始の後は、食べ過ぎ・飲み過ぎで疲れた胃腸をいたわり、休ませ         るという、生活に根付いた昔からの知恵というわけです。

弱った胃を胃腸薬でケアするのはもちろんですが、やさしい味わいの七草がゆを作って、家族みんなで囲んで        みてはいかがでしょうか?                                                          正月7日の七草がゆは、疲れた胃腸への思いやりです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

寒い季節になると、多くのお年寄りは、乾燥による皮膚のかゆみに悩まされます。                          加齢に伴ってホルモンの分泌のバランスが崩れることや、皮膚自体の老化などの要因によって、                 乾皮症を起こしてしまうのです。

皮膚が乾燥してカサカサになり、かくと白くなってはがれ落ちるのが、一般的な症状。                        繰り返しかくことで出血したり、かゆみが一層ひどくなる悪循環に陥ります。                              眠れないほどのかゆみに悩まされることも。特に入浴後は、身体が温まって血行がよくなるため、                 かゆみが激しくなります。

かゆくても、かきむしらずにじっとガマンし、すぐに保湿剤と痒み止めが配合されたクリームやローションを             塗りましょう。                                                                   お年寄りは背中や肩、腰の後ろ側などには手が届きにくいので、家族が手伝い、カサカサ部分の全体に             広がるよう、ていねいに塗ってあげましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

12月は忘年会シーズン。飲み過ぎがいけないことは分かっていても、連日ついつい度が過ぎて                  しまうものです。                                                                 適量のアルコールは血液の循環を良くするため、お肌の新陳代謝を高めます。友達との楽しい                  お酒はストレス発散にもなりますから、イライラが原因のお肌のトラブルにも効果的かもしれません。                ただ、お酒を飲むと皮脂の分泌が活発になるので、いつも以上のお手入れを心がけましょう。

この時期でお酒で注意したいのは、短時間に多量のアルコールを摂取することによる、急性アルコール中毒です。       飲み始めて1時間以内で日本酒を一升瓶1本、またはビール10本以上程度を飲酒し、意識を失うほどの泥酔状態        となった場合は、急性アルコール中毒が疑われます。                                           この場合は命にかかわりますので、すぐに救急車を呼んでください。

翌日に酔いを残さないためは、飲む前に『アミノ酸製剤』の栄養剤を服用すると効果的です。                    アルコールの代謝が良くなり、二日酔いの予防になります。                                       また、飲んだ翌日におなかがポチャポチャしがちな方は、『五苓黄解湯』などの漢方薬を服用                    すると良いでしょう。水はけが良くなり、胃腸がスッキリします。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

乾燥するこの時期は、手あれの季節です。                                                 食器洗いなどの水仕事やガーデニングなど、手は常に外部からの刺激にさらされています。                    皮膚の表面の皮脂は、外部の刺激から手肌を保護し、うるおいを守る働きをしています。                      その皮脂が失われてしまうことが、手あれの原因。                                            美しい手を保つためには、ハンドクリーム によるケアが基本です。

水仕事にぬるタイプなら、肌の表面に透明バリアの保護膜を作り、水や洗剤、乾燥した空気、                   紫外線などの刺激から手肌をガードしてくれます。さらに、皮膚の内側のうるおいを肌内部に                    キープする働きも。                                                                これからのハンドケアは“水仕事前”を基本習慣に。バリア効果で、しっとりと美しい手を保ちましょう。               もちろん、水仕事後や寝る前のハンドクリームでの保湿も大切なことです。

それでも、アカギレやヒビ割レはできてしまうもの。                                             そのような時は、治療用軟膏を塗り、その上からハンドクリームで閉じ込めると効果大。                       おどろくほど早く治ります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

夏の間、悩まされ続けていた“水虫もち”の皆さん、「夏が終わったからもう大丈夫」などと                      安心してはいけません。                                                            秋から冬にかけて症状は軽くなりますが、水虫の原因菌である白癬菌は、根絶されたわけ                     ではないからです。あくまでも活動が沈静化しているだけ。                                        逆に言えば、秋から冬にかけてのオフシーズンこそ、水虫を撃退する絶好のチャンスです。

女性の水虫も急増していますが、これからブーツをはくシーズンとなるだけに要注意。                        ブーツの中が蒸れるため、冬に水虫を悪化させてしまうケースも少なくありません。                         

水虫退治は、根気が第1。                                                           これからのオフシーズン、お風呂上りに毎日おくすりをつけることができれば、角質深くの白癬菌が                退治でき、来年の夏を爽快な気分で迎えることができるかもしれませんよ。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

肌の水分量や皮脂の分泌量は、気候の変化に伴い大きく変化します。                                冬は特に大気中の水分量が最も少ない季節であり、さらに風が吹くと肌の水分が蒸発しやすく                  なってしまいます。                                                               そして気温が下がることで、皮膚の温度低下と共に血液の循環が悪くなり、新陳代謝が低下し、                 皮脂の分泌が妨げられてしまいます。                                                    

この時期、肌は最も乾燥状態となり完全装備が必要です。確実に肌を乾燥から守るためには、                  十分に水分を浸透させ、さらに油分で肌表面をカバーする<保湿>と<保護>が必要です。                     化粧水で水分を補い保湿したあとは、クリームやジェルなどのアイテムを使って潤いを逃がさな                  いようふたをする必要があります。

スキンケアの基本は乾燥対策!冬の乾燥対策は水分と油分のバランスが重要です!

      ~薬剤師 鳥居英勝~

インフルエンザの流行に備えて、予防接種することは大切です。                                     予防接種について、お客様から良くきかれることをまとめてみましたのでご参考になさってください。

予防接種の回数は?                                                              成人の場合、1回接種だと予防効果が64%、2回接種だと94%とされています。成人は、今までに何度かインフルエンザにかかっており多少の免疫力をもっているので、1回接種しておけば64%は防げるということです。ただ、2回接種した方が予防効果は高まります。特に受験生や、どうしても仕事を休めない職業の人、また喘息など気管支に持病のある人などは2回接種した方が間違いありません。                                                          また、1回でも接種しておけば、インフルエンザに罹患した際の死亡予防効果は80%になるといわれています。                                                                         12歳以下の子供は、インフルエンザに対する免疫力が少ない可能性が高く、2回受けることが必要です。             65歳以上の方も、2回受けたほうが良いようです。肺炎などの合併症が起こって重症化するのを防ぐという意味で、最も予防接種を受ける必要性が高いのがこの年齢層でもあるからです。

いつごろまでに受ければ良い?                                                       予防接種を受けてから抗体ができるまでに3~4週間かかりますから、インフルエンザが流行する1月までに抗体をつけておくためには、12月中旬頃までに予防接種を受けた方が良いようです。                                  例年ワクチンが不足するので、早めに受診することをおすすめします。

金額は?                                                                     市町村により異なります。高齢者の方は一部公費で負担していただけます。

受けられない体質は?                                                             以前は、卵アレルギーやゼラチンアレルギーの方は、ごくまれに予防接種によりアレルギー反応がおきることがありましたが、精製技術の進歩や安定剤の改善によって予防接種にそれらの原因物質が含まれなくなったため、その心配はなくなっています。ただし、重篤な卵アレルギー(卵を食べたときにショックを起こしたことがある)がある場合は接種を避けるか注意して接種する必要があります。                                                              インフルエンザのワクチンは体内でウイルスが増殖するタイプではないので、妊婦・授乳婦の方でも安心して受けられます。                                                                                                                     明らかな発熱(37.5℃異常)を呈している方や、重篤な急性疾患に罹っていることが明らかな方は、予防接種が不適当とされています。                                                                    その他、予防接種不適当者、接種要注意者、接種禁忌者などの決まりがあります。医師と相談の上、健康状態や体質を勘案して摂取の可否を判断し、接種を受ける際には十分に効果や副反応などについて説明を受け、十分に理解した上で接種を受けるようにしましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~