» 健康ニュースのブログ記事

1980年以降、欧米では胃の症状を訴えられる患者さんに内視鏡などの検査で調べても                      胃に異常がない場合が多く見られ、これまではこのような症状は「慢性胃炎」と診断されていました。               しかし、胃に炎症などないので「胃炎」という呼び方はそぐわないと考えられ「NUD(機能性ディスペプシア)」           と呼んでいます。                                                                日本でも最近「機能性胃腸症」と呼ぶようになってきました。

検査では異常のない「機能性胃腸症」の3つのタイプ                                           ○運動不全型(もたれなど)ストレスや不規則な生活、食べすぎなどでいの運動機能が低下して起こります。          ・・治療法:胃の運動を活発にして、胃の消化力を高めます。                                       ○潰瘍症状型(痛みなど)ストレスや不規則な食生活、食べすぎ、薬の副作用などで胃酸が出過ぎるために起こります。    ・・・治療法:胃酸の分泌を抑制して、胃酸を抑えます。                                          ○逆流症状型(胸やけなど)食べすぎや前かがみの姿勢を長時間とるなど、おなかに強い力がかかるなど胃酸によって    食道に炎症が起こります。                                                          ・・・治療法:胃の運動を高め、胃酸の分泌を抑制します。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

風邪などで抗生剤が処方されたとき、服用後一時的に便秘になったり便がゆるくなることがあります。              これは、抗生剤によって腸内細菌のバランスが崩れるため。

このバランスは、抗生剤の服用が終われば回復しますが、もともと胃腸が弱いなどお腹が心配な方は、             抗生剤服用の際に整腸剤を併用すると良いでしょう。

特に、通常センナ・ダイオウなどの生薬の便秘薬を服用している方の場合、抗生剤によってセンナ・ダイオウ            の有効成分を活性化させるための善玉菌が減少し、一時的に便秘薬の効きが悪くなる場合があります。            そんな時に便秘薬の用量を増やしてしまうと、いざ抗生剤の服用を終えた場合に善玉菌が増殖し、便秘薬の          効きが良くなりすぎて困る場合があるので注意が必要です。

腸内の細菌バランスを保つため、抗生剤服用の際は、抗生剤耐性の整腸剤を服用すると良いでしょう。             

また、もともと便秘がちだったり下痢気味の方、また、下痢と便秘を繰り返す方、センナ・ダイオウ系の              生薬の便秘薬を服用しても効果がいまひとつ方は、腸内細菌のバランスを正常化するために積極的に              整腸剤を服用することをお勧めします。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

お薬は正しく使えば“クスリ”ですが、使い方を誤ると“リスク”が生じます。                               リスクを回避するために、薬局でお薬を購入する時に薬剤師に伝えて頂きたいことをまとめてみます。

1.薬を必要としている人:                                                           ①子ども・高齢者の場合は、その年齢                                                    ②妊娠中・授乳中であれば、その旨を

2.具体的な症状:とくにつらい症状、いつごろからみられたかなど

3.普段の対処法:OTC医薬品で対処しているときは、具体的な商品名

4.現在の症状以外で、治療している疾患、服用している薬剤、摂取しているサプリメント

5.副作用の経験の有無:ある場合は、いつごろ、どんな薬で、どんな症状がみられたか

6.薬や食べ物などに対するアレルギー:ある場合は、具体的な薬剤名・食品名

7.口にすることが多い嗜好品(コーヒー、たばこ、アルコールなど)や飲食物

8.OTC医薬品についての希望:                                                         剤形(錠剤、粉、液体など)、服用回数(1日2回、1日1回など)、水なしでものめるもの、                      眠くならないもの、価格など。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

仕事中、一般的なヘアスプレーに含まれる化学物質にさらされた母親では、出産した男児に                    尿道の開口位置の異常が現れやすいことが新たに報告されています。

香水やネイルケア製品、ヘアケア製品などの多くにはフタル酸と呼ばれる化学物質が含まれています。             スタイリストや美容師、分析化学者、製薬担当者をはじめ、フタル酸に接触する機会の多い職業に就く              母親から生まれた男児は、尿道下裂として知られる先天欠損のリスクが2~3倍高まっているとのこと。              ※フタル酸やその代謝物は、男児における異常(尿道下裂を含む)との関連が以前より指摘されています。

また、妊娠して最初の3ヶ月に葉酸のサプリメントを摂取した母親は、男児の尿道下裂のリスクを36%低下           させることも報告されています。                                                         ※葉酸は、胎児の正常な発達に必要な栄養素で、妊婦は積極的に摂取すると良いとされています。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

寒い季節になると、多くのお年寄りは、乾燥による皮膚のかゆみに悩まされます。                          加齢に伴ってホルモンの分泌のバランスが崩れることや、皮膚自体の老化などの要因によって、                 乾皮症を起こしてしまうのです。

皮膚が乾燥してカサカサになり、かくと白くなってはがれ落ちるのが、一般的な症状。                        繰り返しかくことで出血したり、かゆみが一層ひどくなる悪循環に陥ります。                              眠れないほどのかゆみに悩まされることも。特に入浴後は、身体が温まって血行がよくなるため、                 かゆみが激しくなります。

かゆくても、かきむしらずにじっとガマンし、すぐに保湿剤と痒み止めが配合されたクリームやローションを             塗りましょう。                                                                   お年寄りは背中や肩、腰の後ろ側などには手が届きにくいので、家族が手伝い、カサカサ部分の全体に             広がるよう、ていねいに塗ってあげましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

屠蘇散は、古くからお正月に飲まれている『お屠蘇』を作るのに使います。

元旦から3日あるいは5日間、お屠蘇を飲む習わしは、昔から今日まで伝えられております。                    これは、新しい年の出発に当たって、新陳代謝の滞りを清掃し、身体を清健にして長寿をはかる                  という意味のもの。

お屠蘇の作り方は簡単で、山椒の果皮、みかんの皮、桔梗の根、浜防風、桂皮、おけらの茎葉から               成る屠蘇散を、清酒にひたして一晩おくだけ。                                               お好みに応じてミリンを入れると味が良くのみ易くなります。

お屠蘇をのむ習慣は、薬を飲むことが出来ない人には知らず知らず薬に親しませる助けとなり、                  さらに体質改善によって『病、未だ病まざるうちに是を治す』という精神の教えにも役立つでしょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

12月は忘年会シーズン。飲み過ぎがいけないことは分かっていても、連日ついつい度が過ぎて                  しまうものです。                                                                 適量のアルコールは血液の循環を良くするため、お肌の新陳代謝を高めます。友達との楽しい                  お酒はストレス発散にもなりますから、イライラが原因のお肌のトラブルにも効果的かもしれません。                ただ、お酒を飲むと皮脂の分泌が活発になるので、いつも以上のお手入れを心がけましょう。

この時期でお酒で注意したいのは、短時間に多量のアルコールを摂取することによる、急性アルコール中毒です。       飲み始めて1時間以内で日本酒を一升瓶1本、またはビール10本以上程度を飲酒し、意識を失うほどの泥酔状態        となった場合は、急性アルコール中毒が疑われます。                                           この場合は命にかかわりますので、すぐに救急車を呼んでください。

翌日に酔いを残さないためは、飲む前に『アミノ酸製剤』の栄養剤を服用すると効果的です。                    アルコールの代謝が良くなり、二日酔いの予防になります。                                       また、飲んだ翌日におなかがポチャポチャしがちな方は、『五苓黄解湯』などの漢方薬を服用                    すると良いでしょう。水はけが良くなり、胃腸がスッキリします。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

厚生労働省の定める1人1日当たりの食物繊維摂取目標量は20g。                                  でも、実際の平均摂取量は15g程度だといいます。つまり『5g』不足。                                便秘予防やダイエット、高脂血症予防など、食物繊維のもたらす健康作用は広く知られています。                  それにもかかわらず、摂取量は年々減少傾向にあるとのこと。                                      そこで、健康のために毎日『プラス5g』を目指してみてはいかかでしょうか。

食物繊維量を増やすポイントとしては、まず、ご飯を白米でなく玄米や麦ご飯に変えましょう。                     そして、豆類・キノコ類・イモ類を食事に取り入れること。                                         また、干しシイタケ・干し柿・干しイモなどの『乾物』を積極的に活用するといいようです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

コーヒーには、色々な効果があるようです。                                                 最も特徴的な成分は、カフェインです。カフェインの効能としては、眠気覚ましなどの興奮作用や                  尿の排出を促す利尿作用などが広く知られていますが、このほかにも『自律神経の働きを高める』、               『集中力を高め作業能力を向上させる』、『運動能力を向上させる』など、様々な効果が明らかに                  なっています。

コーヒーの健康効果についての研究報告をご紹介します。

朝が弱い方に                                                                  コーヒー1杯には、2時間程血流をよくする作用があります。心臓の拍動を高めて血流を良くして                  くれるため、朝が苦手な低血圧の方も、体を動かしやすくなる効果を得ることができます。                      それでは高血圧の人に悪いかというとそうではありません。コーヒーは毛細血管の拡張作用で                  末端の血管を開かせ、やはり血流をよくして、高血圧の人には血圧を下げる働きをするのです。                   ※コーヒーには眠気覚ましなどの効果と、気分をリラックスさせる効果とがあります。この相反する                  2つの効果は、興奮時に働く交感神経と鎮静時に働く副交感神経によってコントロールされており、                  コーヒーには両方を活性化させる働きがあると考えられます。                                        その2つの神経の活性化レベルについて詳しく調べたところ、コーヒーを飲んだ後は副交感神経                   に支配される部分がより活性化することが明らかになっています。

ストレスに                                                                     コーヒーに含まれるカフェインとコーヒーの香りには、強いリラックス効果があることがわかっています。 

生活習慣病に                                                                  コーヒーの成分であるクロロゲン酸が効果的に血糖値を抑制するという結果が得られています。                  また、週5回以上コーヒーを飲むと、週1回未満の人に比べて、2型糖尿病を発症するリスクが約半分              だったという結果が出ています。                                                       ちなみに、紅茶やウーロン茶ではこうした傾向は見られなかったと報告されています。

カフェイン入りとカフェインレスの2種類のコーヒーについて、自律神経の働きにどう作用するかを調べた                    ところ、コーヒーに特有の香り成分や苦味物質に、総自律神経活動を高める効果があるのではないかと             いう結果が得られました。                                                           同時に、カフェイン入り、カフェインレスとも、顕著に脂肪代謝を高めることが認められています。

※妊娠されている方は、カフェイン100mg(できたら50mg)以下に抑えるのが良いと言われています。              また、胃が弱い方や荒れている方は、空腹時の飲用は避けたほうが良いでしょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

対面販売を原則とする役所側と、それに反対するネット販売業者側。                                 今、医薬品の通信販売の是非が問われています。

薬は、文字通り「クスリ」にもなれば「リスク」もあるもの。                                         薬に対するアレルギーがある場合や、お医者さんからもらっている処方薬がある場合などには、                  それらを逐一チェックして、安全かつ有効な薬を選択する必要があります

また、調子が悪いときに、症状に合った医薬品を自分で選択するのはなかなか難しいもの。                    薬の専門的知識を有する第三者に相談して、客観的にみてもらい、症状にあった薬を選んで                    服用して頂くのがベストです。

ここ数年来政府が進めている『自由化』の名の下、来年度より登録販売者制度により、薬の知識を                十分に有しない者が薬をどうどうと販売できる制度が施行されます。近く、コンビニでも一部の薬が                   販売されるようになるでしょう。これと合わせて、昨今のネットでの医薬品の販売。                                                         確かに、これによって便利になる部分はあるでしょう。ただ、それと引き換えに安全性が確保できなくなる             ということを認識しておかなければなりません。

防げる事故を起こさないためにも、医薬品の販売については『専門家が対面で行う』ことを徹底するべきで            あると私は考えています。                                       

      ~薬剤師 鳥居英勝~