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『高プロラクチン血症』この状態ですと、卵の発育が低下し、不妊症の原因になる場合があります。

この場合には、次の対処法をとります。

・周期療法に、炒り麦芽や芍薬甘草湯を取り入れる。
※炒り麦芽と芍薬甘草湯には、プロラクチンの分泌を抑える働きがあります。

また、肝欝がある場合、月経前に疏肝理気を用いることでスムーズな月経を促します。

高プロラクチン血症のサインとして、『卵胞期の基礎体温が不安定になりやすい。』ことがあります。
低温期の基礎体温が不安定な場合には注意が必要です。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

『無排卵月経』生理があっても排卵を伴わない状態です。
この場合は、次のような対処法をとります。

①基本的に卵胞期の薬を使う
・・・これによって、元気な卵子が造られるよう促します。
②出血期には月経期の薬を使う
・・・これにより、育った卵子がすっきり排卵されるよう促します。

※卵胞が育っているのに排卵がない場合には、“活血化お”を合わせて施します。
これによって、スムーズな排卵を促します。
体温が一相性で波がある場合には、無排卵の可能性があります。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

すでに“閉経”のところで記してありますが、無月経すなわち『くるべき生理が来ない』状態は、色々なタイプに分類されます。またそれらが複雑に絡み合っている場合も多く見られます。

ここでは、『元気な卵子を育てて生理を回復させる』観点からの漢方療法を記します。

この場合、まず
①『お血』と『痰湿』を考えます。
そして、
②卵胞期に大切な薬を使い、卵胞を育てる方法をとります。
さらに、
③おりものが増えてきたら、補陽活血促排卵を用います。

以上が、周期療法での『無月経』のスタンダードな考え方です。

臨床においては、この考え方のみにとどまらず、合わせて『体の基礎作り』を施すことで、正常な生理が回復する結果が多く見られます。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

排卵誘発剤の使いすぎにより、卵巣が腫れることがあります。これによって現れる症状を卵巣過剰刺激症候群とよびます。
卵巣過剰刺激症候群には次の3つのタイプがあります。

①水湿・痰湿タイプ
この場合、気を補って余分な湿を取り除きます。
②お血タイプ
この場合、血のめぐりを良くして血の滞りを取り除きます。
③気陰不足
この場合、気を高めて陰液を増やすことにより、体のバランスを整えます。

これらの状態では、排卵誘発剤を継続することはお勧めできません。無理に使い続けると、卵巣の過剰刺激による副作用が出たり、卵巣の反応が悪くなりいくら刺激しても排卵しない状態を引き起こしかねません。

この場合、漢方薬により卵巣の状態を整えることが大切です。
その後漢方薬による周期療法と、必要に応じて排卵誘発剤を併用して、体に無理のない排卵を促すと良いでしょう。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

排卵誘発剤治療によって、次の症状が出ることがあります。

①基礎体温の高温期が高くなる。
②体重が増える。
③おりものが減る。
④月経量が減る。

①は陰虚火旺による症状です。この場合、一時的に休薬して補腎陰剤を服用すると体のバランスが整います。

③④は子宮内膜が薄くなったサインです。この状態を放っておくと、血虚と血おにより着床しずらくなるのでしかるべき対応をとるべきです。まず。一時的に休薬し、月経期に活血剤、卵胞期に補陰補血を施すとよいです。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

黄体機能不全(黄体ホルモン分泌不足)が起きている時は・・・
①腎の機能を高め、温かな子宮環境を保つ
②気血を補う
方法をとります。
これを『温補腎陽・益気養血』といいます。

周期療法を行う場合、
高温期:腎陽を高めて子宮を温め、子宮内膜をやわらかくする。また、気血を補う。
低温期:腎陰を補って卵胞の発育を助ける。また、血を補う。
方法をとります。
※黄体期の調整でうまくいかないこともあります。その場合、卵胞期に卵胞が十分に発育しなかったことが原因である場合があるので、卵胞期に腎の機能を高め、卵胞の発育と成長を助ける漢方薬を用いると良いのです。
また、ストレスを受けて体温が上下したり、PMSが発現する場合には、理気を施します。

高温期が11日以下と短かったり、体温が上下して安定しない。高温期に入って4~5日目に体温が下がる。高温期の体温が低かったり、低温期の+0.3℃未満などの場合、黄体機能が低下していることがあります。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

排卵障害が起きているときの対処法は・・・
①腎の機能を高める
②気と血のめぐりを改善する
方法をとります。これらを合わせて、『補腎活血促排卵』といいます。
※原因が卵胞の発育不良の場合は、卵胞期から調整する必要があります。

低温期から高温期への体温の移行が、だらだらと階段式に3日以上かかったり、排卵期に強い痛みがある場合は、『排卵障害』が起きている可能性があります。

~国際認定中医師 鳥居英勝~

『生理が数ヶ月ない』ことを、中医学では閉経といいます。
ここでは、加齢により生理が来なくなる“閉経”は含みません。また、数ヶ月に1回生理がくることが正常リズムな方もおられるので、それも区別します。

閉経のタイプは、大きく次の5つに分けられます。
①脾虚型・・・消化吸収や水分の代謝にかかわる臓器が弱っているタイプ
②腎虚型・・・先天的あるいは何らかのストレスにより、身体のエネルギーの源である腎が弱ったタイプ
③血虚型・・・血液が不足したタイプ
④気滞血お型・・・気のめぐりが悪くなり、血が滞ったタイプ
⑤寒湿凝滞型・・・冷えと余分な水分が身体の中に溜まっているタイプ

それぞれの特徴的な症状は・・・
①食欲がない、お腹が張る、便がゆるい、食べても味を感じにくい、顔色が黄色く白っぽい、気持ちも身体も疲れている、手足が冷える、むくみがある、どきどきする
②初潮が来るべきときに来ない、初潮が来ても量が少なく次第に無月経になる、眩暈、耳鳴り、腰がだるく足に力が入らない、頻尿
③顔色が萎えた黄色、めまい、どきどきする、不眠、大便が乾燥 
ひどくなると:両頬が赤くなる、手のひらと足の裏があつくなる、寝汗、どきどきして眠れない、皮膚が乾燥する、血の混ざる咳が出る、咳が止まらない、唇が紅くなる
④いらいらして怒りっぽい、憂鬱、下腹部に脹痛があって押すと痛い、胸が詰まる感じで脇の方が痛む、
⑤下腹部が冷えて痛む、胸が苦しい、身体と手足が冷える、便が緩い、顔色は青白い、気持ち悪い、白い下り物がたくさん出る

舌の状態は・・・
①淡い、白くて厚い苔がある
②淡い、苔が薄い
③淡い、苔がない
④舌のふちに黒い斑点がある
⑤暗い、白くて厚い苔がある

脈の状態は・・・
①緩弱
②沈細
③細緩ひどくなると細数
④沈弦
⑤沈緊あるいは濡緩

治療方針は・・・
①補脾益気・養血調経・・・消化吸収に関わる臓腑を元気にして、血を増やし血の巡りを整える
②補腎気・調衝任・・・腎を元気にし、血のめぐりを整える
③補血・・・血を補う
④行気活血・去お通経・・・気と血のめぐりをよくして、血の滞りをなくし、血の通りをよくする
⑤温経散寒・和血凝滞(寒に傾く時)・・・血を温め、滞りをなくす。
燥湿化濁・理気行滞(湿に傾く時)・・・湿気をとり、気のめぐりをよくする。

方剤は・・・
①参苓白じゅつ散加当帰川きゅう
②固陰煎加牛膝当帰
③小営煎
④膈下逐お湯
⑤温経湯(寒に傾く時)、丹渓治湿痰方(湿に傾く時)

『数ヶ月生理が来ない状態』。元々そういう体質でない限りこの状態は正常ではありません。放っておくと、不妊症や更年期症状が強く出ることにつながることもあります。漢方薬を上手に使い、必要な場合は『漢方薬による周期療法』も取り入れて、正常なリズムを取り戻すと良いでしょう。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝 ~

生理痛で悩む女性は多いようです。
中医学では、生理痛を次の4つの形に分類しています。
①気滞血お型・・・ストレスが主な原因
②寒湿凝滞型・・・冷えが主な原因
③気血両虚型・・・栄養不足が主な原因
④肝腎陰虚型・・・元々の体質と、ストレスが主な原因

それぞれの特徴は・・・
痛みの程度
①生理前や生理中に下腹部に脹痛があって、押すと痛い。
②生理前や生理中に下腹部に冷痛があって、温めると痛みは軽減する。
③生理中や生理後に下腹部に連綿とした痛みがあって、押すと楽になる。
④生理後に下腹部が痛む。

経血
①量は少ない。色は紫暗。血の塊が混じることがある。
②量は少ない。色は暗い。血の塊が混じるか、黒豆の煮汁のような感じ。
③量は少ない。色は淡い。性状は希薄。
④量は少ない。色は淡い。性状は希薄。

舌の状態
①色は紫暗で、黒っぽい斑点があることがある。
②色は黒っぽい。白くて厚い苔がある。
③質感は淡い。薄く苔がはっている。
④質感は淡い。薄く苔がはっている。

脈
①弦渋有力。
②沈緊。
③細弱
④沈弦細

その他の特徴
①胸が張って痛い。
③顔色は蒼白。精神倦怠。
④腰がだるく足に脱力感。眩暈耳鳴り。顔色が暗い。

治療方針は・・・
①行気活血・去お止痛・・・気と血のめぐりをよくする
②温経去湿・活血止痛・・・血を温めて、余分な水分をとる。同時に血のめぐりをよくする
③補気養血・和中止痛・・・気と血を増やす
④調補肝腎・・・肝と腎の陰を補い、からだのバランスを整える

使用する方剤は・・・
①八物湯
②少腹逐お湯加蒼じゅつ・ぶく苓
③黄ぎ建中湯加党参・当帰
④調肝煎             など

最近の若い女性をみると、寒い時期でも短いスカートをはいていたり、朝食を摂らなかったり、また仕事でのストレスなど、身体に負担のかかる生活を送っている方が多いようです。このような生活スタイルが続くと、生理痛だけではなく、生理不順・子宮内膜症・子宮筋腫・不妊症など、もっと深刻な症状に発展する心配があります。
生理痛があってもなくても、また生理痛がある場合どのタイプの生理痛であっても、『ストレスをためない、身体を冷やさない、バランスの取れた栄養を摂る』ことが大切です。
毎日の生活の中で注意すると良いでしょう。

       ~国際認定中医師 鳥居英勝~

 

大豆に含まれるゲニスチンという成分に、『卵子に到達しようとする精子の衰弱を早める』作用があることが、ロンドン大学フレーザー教授によって発表されました。

大豆は、良質なたんぱく質を多く含み、ミネラルを豊富に含む食品であり、日本においては食材や調味料として多く消費されています。
今回の発表が、『大豆=不妊につながる』と決め付けるのは時期尚早と思います。
どれだけの量を、どのように調理された形で、どれだけの期間摂取した場合に精子の衰弱が早まるのが、今後の研究結果を確認したいところです。

       ~薬剤師 鳥居英勝~