カカオ R3/2/13

| 製剤と調剤 |

明日はバレンタインデー。“友チョコ”というのがあり、今は女の子同士でもやりとりするそうですね。

さて、チョコレートの原料といえばカカオですが、カカオの脂は丁度体温で溶けるので、昔は坐薬の基剤に使われていました。

学生の時にこれで坐薬を作ったことがあります。白い塊で、においはチョコレートのまんま。どう見ても雑に作られたホワイトチョコレートのようでした。実習のパートナーはこっそりかじっていましたが、もちろん甘くなかったようです。

作り方はシンプルで、まずカカオ脂を湯煎で溶かして、そこに薬を混ぜて、型にはめて冷やす。固まれば出来上がり。薬の分量さえ間違えなければ、子供でも作ることができます。

出来た製剤を指でもみもみしていると、ゆっくり融けてきます。チョコレートを持っているとだんだん溶けてくるのと同じです。身体の中でもこんな感じで溶けるんだなーとイメージですることができました。

今の坐薬には、ハードファットと呼ばれる坐薬用基剤が使われています。半合成グリセリドに添加物が配合されていて、融ける温度や混ぜ込む成分、使う場所に合うように、調整されています。

~薬剤師 鳥居英勝~