『賞味期限切れ』『産地偽装』などの問題で、消費者の『食品の表示』についての意識は高いように思います。知っておくと便利な表示の見方をご紹介します。

消費期限:これを過ぎたら食べないようにしてくださいという期限。衛生上安全に食べられる期限を表している。

賞味期限:おいしく食べる事が出来る期限。味や香りなど全ての品質が保持され、おいしく食べられる期限を表している。

原産地表示:生鮮食品としてのエビは、〇〇産の表示が必要。衣を付けただけの調理前エビフライにも必要。揚げてあるエビフライでは不要となる。・・・これは揚げるという加工により、原産地の違いの商品価値に占める割合が小さくなるから。

アレルギー表示:乳とは牛乳のことであり、めん羊乳ややぎ乳はふくまれていない。卵は鳥の卵のことであり、魚卵は含まれない。ただし、いくらは個別に表示が推奨されている。

食品偽装:中国製食品の偽装に比べて、アメリカ製は3倍。ワインや果汁飲料などを水増しすること偽装とはよばす食品偽和とよぶ。

以上は、食品の表示ー国内基準から国際規格までー(日本フードスペシャリスト編)より抜粋したものです。この本は、一般食品の表示を理解するための入門書として一読に値すると思います。※表示に関するルールの変更は頻繁に行われるので、本書の記載内容にも賞味期限があることを知っておく必要があります。

私がこの本を読んで気になったのは、原産地表示のこと。加工してしまったらどこのものを使っていても表示する義務がないということは、不便だなと思います。こまかい食材まで全てを記載するのは無理にしても、メインになる食材については記載して欲しい。

原発事故後、産地表示のニーズは以前よりも高まっています。以前は国産が外国産かが大事でしたが、今では国内産でもどの地域でとれたものかを気にする消費者が増えています。このニーズに応え、いずれ『この製品は〇〇産のみを使用しています』や『この製品は〇〇地方でとれたものは一切使用していません』などの記載がされるようになってくるかも知れません。

      ~薬剤師 鳥居英勝~