妊娠中は、つわりや妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)に気をつける必要があります。
つわりが起こる原因はまだはっきりとわかっていませんが、有力な説として「妊娠によって胎盤の絨毛細胞から大量に分泌されるヒト絨毛性ゴナドトロピンというホルモンに妊婦の体が対応できない」からだと言われています。
漢方の考え方では胃に熱がこもっていると考えることはあります。
そういったことから、つわりの時には冷たいものを食べることが勧められています。(取り過ぎは注意です)

空腹になると、つわりの症状がひどくなりますので、できるだけ空腹の状態にしないよう、いつでも何か口に入れられる状況をつくっておくと良いようです。
この時期は、食べたいときに、食べられる物を、少しずつ食べると良いようです。「無理にでも食べないと赤ちゃんに栄養がいかない」と心配されると思いますが、つわりが終わった後にしっかり食事を摂れば十分です。

ちなにみ、妊娠中にはまる食べ物は、トマトや果物類が多いようです。意外にもフライドポテトやポテトチップスなどもつわり中に食べたくなるそうですが、こういったモノは赤ちゃんのためにも控えるべきでしょう。
また、炭酸飲料を飲むと吐き気が治まることが知られていますが、糖分が多いので、炭酸水を利用するとよいかと思います。

栄養面では、ビタミンB6には嘔吐を抑える効果があります。
玄米や豆類、青魚などに多く含まれていますが、この時期に口にできそうなもの、例えば、バナナやサプリメントなどを利用するのも良いでしょう。

       ~薬剤師 鳥居英勝~