妊娠前からの栄養の摂り方が大切です。
妊娠前にマルチビタミン・マルチミネラルを摂取していると、生まれてくる子どもの神経管閉鎖障害(二分脊髄や無脳症など)の発生率が60%減少したという報告があり、日本でも妊娠を希望する女性に、ビタミンB1群の1つである葉酸を1日400μg摂取することを推奨しています。

葉酸は、細胞分裂や核酸(DNA・RNA)の合成に必要なビタミンです。そのため、少なくとも妊娠1ヵ月前から、胎児の骨格や脳、内臓などの器官が形成される妊娠3カ月までは、葉酸を含む食材を多めにとることをおすすめします。
葉酸は緑黄色野菜や貝類、納豆など身近な食材に豊富ですが、熱に不安定なため、調理中にかなりの量を失ってしまいます。
足りない分は、サプリメントを使って補給。葉酸は、亜鉛が不足すると吸収が低下しますので、サプリメントではこれらを一緒にとることをお勧めします。

また、EPAやDHAなどのω-3系脂肪酸を積極的に摂っていて、ω-6系脂肪酸との摂取バランスが適切な母親から生まれてくる子どもは、知能によい影響を及ぼすといわれています。
妊娠前からの母親の摂取も大事ですが、妊娠中にEPAやDHAをとると、半分が胎児に受け継がれるそうです。

       ~薬剤師 鳥居英勝~