女性に多い不定愁訴。不定愁訴とは「だるい」「いらいらする」などの自覚症状があるのに、検査をしても原因がはっきりしない状態をいいます。閉経前後であり、「ほてり」「のぼせ」「発汗」「不眠」「うつ」といった自律神経失調症と似通っている場合、一概にはいえませんがそれは更年期障害である可能性が高いといえます。

更年期障害とは、閉経前後のホルモンバランスの崩れにより、自律神経失調症とほぼ同じ症状が起こる状態です。ただしその「程度」には個人差があり、人によってほとんど発症しない場合もあれば、生活に支障が出るほどに重篤な状態になることもあります。

また、更年期障害は女性に発症しやすいことが特徴の1つです。それは女性の方が男性よりもホルモンの変化が急激だからといわれています。まれに40歳代以降の男性でも症状を訴える方がいらっしゃいますが、その場合は一般的な更年期障害とは分けて考えられているようです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

花粉症は、花粉が原因で起こるアレルギー性炎症です。主なものは花粉によるアレルギー性鼻炎とアレルギー性結膜炎ですが、咽頭炎、喉頭炎、皮膚炎、ぜんそくなどが出る場合もあります。また花粉以外にも、ダニ、カビ、ペットの毛などがアレルギー性鼻炎の原因になります。

その機序は、外部から侵入してきた抗原(花粉)に対し、人体はIgE抗体と呼ばれる抗体をつくって対応し、抗原との接触を繰り返すうちにこのIgE抗体は内部をヒスタミンなどで満たした肥満細胞の表面に蓄積されていきます。この蓄積が一定の水準に達した状態で再び花粉が体内に入ると、抗原とIgE抗体が結びつき肥満細胞内のヒスタミンが流出して花粉症の症状が出現します。

この症状はを緩和する働きを持った薬には、ヒスタミンなどの化学伝達物質の遊離を抑制する抗アレルギー薬や、ヒスタミンを拮抗的に阻害する抗ヒスタミン薬があります。前者は処方箋薬ですが、後者はほとんどの市販薬に含まれています。抗ヒスタミン薬は、花粉症に対して即効性がありますが、眠気とノドの乾燥が起こりやすく、長期間継続的に内服する場合は注意が必要となります。

以上のことから抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬は、花粉症に対して本格飛散が始まる2~4週間前に用いることで重症化を防止することが可能となるとされています。また途中で休薬せずに花粉飛散が少なくなる時期まで継続することが望ましいとされています。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

一般的な冷え性とは、「全身の冷えを感じること」ではありません。身体のほかの部分はまったく冷たさを感じない気温なのに、ある部分(特に腰背部、大腿部、四肢抹消)だけが不快な冷たさを感じることをいいます。

その要因には、自律神経、特に交感神経の機能失調を主因に、骨盤内循環障害などの抹消循環障害が関与するといわれています。

次にむくみとは、体内の水分が増えて皮膚の下にたまった状態を指します。ここで肝心なのは、冷え性とむくみが密接な関係にあるということです。冷え性になり身体の新陳代謝が悪くなると、うまく循環できなくなった水分がいわゆるサードスペース(細胞、血管内以外の場所)に滞留し、むくみが起こるのです。つまり、むくみは冷え性から併発することが多い症状なのです。

ところで冷え性もむくみも、決して「女性だけに起こる症状」ではありません。男性でも冷え症の方はいますし、長時間におよぶ立ち仕事の後などには、男女問わず足のむくみを感じることがあるはずです。では、なぜ冷え性やむくみが女性に多いのでしょうか?その原因には、女性が男性に比べて「筋肉量が少なく、熱産生が少ないこと」や、「皮下脂肪が多い」ため冷え性になりやすく、それに伴ってむくみも起こしやすいことなどが考えられます。さらに筋肉量の多い男性のむくみは一時的な場合が圧倒的である一方、女性のむくみは冷え性から改善する必要があるため改善が困難なのです。

また冷え性は若い女性に多いと思われているようですが、女性であれば各年代に見られます。本来ならば更年期前後のホルモン変化が著しい時期や、全身の機能低下が見られる老年期に比較的多い症状です。しかし、働く女性が増え、それと同時に女性も男性と同じようにストレスや生活習慣が乱れがちになったことで、冷え性は若い女性にも増えてしまったのかもしれません。

冷え性対策には筋肉を付けるために運動をすることや、食事を見直すなどの体質改善、さらには漢方薬の服用など有効な手段との1つとしてあげられます。しかし、前述のとおり疾患が原因である場合は、それぞれの病態に応じた治療が必要です。「冷え」が起こる病気は、抹消循環障害系がほとんどです。例えば動脈系の抹消循環障害としてはバージャー病(閉塞性血栓性血管炎)、閉塞性動脈硬化症、膠原病などが、静脈系の抹消循環障害としては静脈血栓症、血栓性静脈炎、静脈瘤などが考えられるほか、甲状腺機能低下症や低血圧、貧血でも「冷え」が起こります。少しでも疾患が疑われる場合は検査をおすすめします。とにかく「体質だから」といった先入観にはとらわれないように注意しましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

疲れるとなぜ甘いものが欲しくなるのでしょうか?・・・それは、身体がエネルギー補給を待っているからです。タンパク質などは、体内でいったん糖に変えられてエネルギーとなります。甘いものに多く含まれる糖分は即効性があり、素早くエネルギー不足を解消します。

疲れによいビタミンは?・・・ビタミンB1(豚肉・ニンニク・玄米など)/ビタミンB2(卵・牛乳・ほうれん草など)/ビタミンB6(魚・鶏肉・バナナなど)/ビタミンB12(レバー・貝・牡蠣・チーズなど)。それぞれが細胞の代謝にかかわる酵素の働きを助け、疲労の解消に役立ちます。

これから春にかけての季節の変わり目には、気温差などから体調をくずしがちで体力を消耗しやすいものです。疲れ解消の基本は食事と休息。毎日の生活を整えてみてはいかがでしょうか?

      ~薬剤師 鳥居英勝~

ラクトフェリンは、哺乳動物の乳に多く含まれる多機能タンパク質。人間の母乳では、特に初乳に多く含まれています。鉄イオンと結合する性質があることから、ラクト(乳)フェリン(鉄)と名付けられました。

ラクトフェリンは、「内臓脂肪を低減させる効果」を持つとされており、健康的な食習慣を無理なく長続きさせてくれるサポーターとして注目されています。また、「腸内環境を整える」作用も明らかにされており、悪玉菌の増加による便通の乱れ・大腸の病気・ガン・アレルギー・免疫力低下を改善する働きが期待されています。さらに、小腸で免疫細胞を刺激して、体内でアレルギーの要因となる物質を発生しにくくする機能があるとされており、花粉症などの改善も期待されています。加えて、アレルギー要因物質が体内に侵入するのを防ぐ働きもあり、これにより花粉やハウスダストなどによるトラブルを軽くできるとされています。

こんなうれしい機能を持つラクトフェリンですが、通常の食事で摂るのは非常に困難な成分です。ラクトフェリンは搾りたての生乳に多く含まれていますが、熱に弱く壊れやすいので、加熱殺菌される過程でほとんどが失われてしまいます。しかもラクトフェリンは胃酸や酵素にも弱いため、食べ物として口から摂取しても消化の段階で破壊されてしまい、効率よく吸収できません。そのため、ラクトフェリンは「胃酸で溶けずに腸で溶けるように設計されたサプリメント」で摂るのが良いでしょう。

☆ラクトフェリンの多彩な機能☆抗菌・殺菌作用/病原性大腸菌やO-157、ブドウ球菌、ピロリ菌などは、鉄分がなければ生きていけません。ラクトフェリンは鉄イオンと結びつく性質があるので、これらの有毒な細菌から鉄分を奪い、菌の増殖を抑えて死滅させる働きがあります。骨量増強/エルダー世代の女性が気になる「骨粗鬆症」。ラクトフェリンには骨量を増やす働きがあることがわかっています。歯周病菌の毒素対策に/いまや成人の80%がかかっているともいわれる歯周病。歯周病菌への抵抗力は、年齢を経るごとに低下していきます。ラクトフェリンは歯周病菌が生成する毒素を解毒して歯周の健康を保つ働きがあります。エイジングケア/活性酸素が過剰に増えると、細胞を傷つけることがわかっています。ラクトフェリンはこの活性酸素を抑える作用があり、正常な細胞が傷つけられないように働くので、エイジングケアに役立ちます。免疫細胞の活性化/生後間もない赤ちゃんが元気に育つための免疫力は、お母さんの初乳に含まれるラクトフェリンが関係しています。最近の研究では、免疫力の要である「NK細胞」をラクトフェリンが活性化させることも確認されています。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

体内の脂質は中性脂肪やコレステロールで形成され、生きていく上で欠かせないもの。中性脂肪はエネルギー源・衝撃のクッション・保温の役割がありますが、必要以上にたまることが問題です。

中性脂肪が増え過ぎると、悪玉といわれるコレステロールが血管壁に付着したり、血液がどろどろになったりして、動脈硬化の要因をつくります。さらに糖尿病、高血圧のリスクが高まり、いわゆるメタボリックシンドロームにつながります。          ※HDL(善玉)コレステロールは、血管にたまった余分なコレステロールを肝臓に運びますが、LDL(悪玉)コレステロールが多いと、脂肪をさらに呼び込んでコレステロールがたまりやすくなります。

食べ過ぎや運動不足は、次第に体を「メタボリックシンドローム状態」に追い込みます。☆食べ過ぎ・運動不足⇒内臓脂肪型肥満に⇒インスリン抵抗性が起こる中性脂肪が促進⇒高脂血症・高血糖・高血圧⇒メタボリックシンドローム⇒動脈硬化・・・脳梗塞や心筋梗塞、狭心症などのリスクが上昇

中性脂肪をため込まないために、ふだんの生活で悪い習慣がついていないかチェックしましょう。最も大切なのは食生活。不規則で偏った食生活は軌道修正しましょう。また、運動も中性脂肪を燃焼させるうえで欠かせません。運動不足になっていませんか?

このような方は要注意!/肉類、揚げ物が大好き。付け合せの野菜をよく残す。よくかまずにドガ食い傾向。車をよく使い、ほとんど歩かない。食事を満腹になるまで食べる。よく間食をする。寝る前に食事やおやつをとることが多い。緑黄色野菜が嫌い。

対策/中性脂肪値を下げるEPA、DHAを多く含む食材(青背魚など)を積極的に摂りましょう。脂肪代謝を活発化し、糖分の吸収を抑制する健康茶やサプリメントも上手に活用。間食をさけ1日3食規則正しく食べましょう。寝る前の食事は中性脂肪をため込むことになりますので避けましょう。緑黄色野菜を摂りましょう。緑黄色野菜には、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。食物繊維はコレステロールを体外に排出する働きがあります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

〇カリウム、カルシウム、食物繊維を積極的に摂取しましょう。

カルシウムは、血管を拡げるときに必要なミネラルです。カルシウムを充分摂っている人は血圧が低めであるというデータがあります。カリウムは血圧を上げる原因となるナトリウム(食塩)の排泄を促します。食物繊維は動脈硬化を予防する働きがあります。野菜や果物には食物繊維やカリウム、小魚や海藻にはカルシウムが豊富に含まれています。

〇食塩の摂取は1日6g未満を目指しましょう。/天然のダシをきかせる、酸味や香辛料を上手に使うなど工夫をして、できるだけ食塩を減らしましょう。

〇コレステロールや飽和脂肪酸(獣肉の脂)の摂取を控えましょう。

〇適正体重を保ちましょう。BMIで25を超えないようにするのが目安になります。/BMI=体重(kg)÷〔身長(m)×身長(m)〕

〇適度な運動を行いましょう。/ウォーキングを1日30分するだけでも、血圧を下げる効果があります。

〇節酒をこころがけ、禁煙しましょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

朝のこわばり・関節のはれなどのリウマチや、変形性膝関節炎による膝の痛みなどでお悩みの方に、新しい健康食品が発売されました。新規の関節対応素材・非変性Ⅱ型コラーゲン・ボスウェリン酸含有のリウマソフトUC・Ⅱカプセルです。              この商品の最大の特徴は、「リウマチ性の関節の破壊を予防し、改善させる」働きがあることです。

非変性Ⅱ型コラーゲンという言葉を始めて耳にされる方も多いと思います。この成分は、服用すると小腸にあるパイエル板で認識され、自己免疫機能を正常化させる働きがあります。それによって、自分の細胞が自分の細胞を異物と判断して壊してしまうリウマチの反応を断ち切ってくれるのです。(キラーT細胞が活性化⇒コラゲナーゼなどの分解酵素が軟骨を破壊⇒関節炎という悪循環を断ち切ります。同時に、滑膜の炎症・関節液の分泌増殖⇒軟骨を攻撃⇒関節炎の経路も絶ってくれます。)

また、ボスウェリン酸は、痛みのもととなるロイコトリエン類の生成を抑えるので、痛みを直接和らげる働きがあります。また、この成分は胃粘膜の生成を妨げないので、胃に負担がかかりません。

このような働きにより、リウマソフトUC・Ⅱカプセルは、リウマチ性の関節炎の予防と改善と、リウマチ性関節炎による痛み・変形性膝関節炎による痛みの両方に効果を発揮します。他のお薬や健康食品と併用しても大丈夫です。                                         リウマソフトUC・Ⅱカプセル(牛津製薬)=60Cap(約30日分)¥10.290-(税込)

       ~薬剤師 鳥居英勝~

妊娠初期の過ごし方は、健康な赤ちゃんの発育に大きく関わってきます。

受精後20日~40日の時期の胚は、細胞分裂の影響を非常に受け易いことがわかっています。初期の期間形成であるこの時期では、さまざまな身体部分において多くの相互作用があり、所定の身体部分がうまく機能していなければ他の身体部分の発達に大きく影響します。

この時期は、喫煙・飲酒・化学的な医薬品の使用やストレスの多い活動など、危険な行動はやめた方が良いとされています。

また、子どもを健やかに育むための身体造りは、妊娠前から行うことが大切です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

空腹時血糖値が110mg/dl以下だからといって、安心してはいられません。空腹時血糖値は異常がなくても、食後に血糖値が上がったままになるのが「隠れ糖尿病」。日本を含むアジア11か国での調査では、空腹時血糖値だけでは半分以上の糖尿病が見逃されているという結果が出ています。

このような状態を放置しておくと、神経細胞や血管、腎臓がダメージを受けかねません。糖尿病は遺伝とのかかわりもあると考えられているので、心配な方は検査を受けて起きましょう。

血糖値を下げるためには、インスリンの効きがカギになります。インスリンを働かせるためにはなんといっても食事改善が大切。第一に1日3食を一定間隔で適量を摂りましょう。第二に3度の食事に必ず炭水化物の主食を補うこと。主菜と副菜のバランスにも気を配りましょう。※主食:炭水化物補給、主菜:肉・魚・卵・大豆などのタンパク質補給、副菜:野菜・きのこ・海藻類などのビタミン・ミネラル・食物繊維を補給。

フラボノイド(ポリフェノールの1種)を含むかんきつ類、ヤーコンなどの健康茶で血中の糖濃度を低めにコントロールさせることも糖の管理には大切なことです。

糖尿病検査の指標:HbA1c、空腹時血糖値、糖負荷試験値、食後血糖値。空腹時血糖値が110~126mg/dlに該当すると、正常型と糖尿型の中間「境界方糖尿病」で、赤信号です。

      ~薬剤師 鳥居英勝~