» 2009 » 8 月のブログ記事

頭痛は、日常生活の中でも経験することが多い症状の1つです。頭痛の種類と特徴、鎮痛薬の成分について紹介します。

【頭痛の種類】※市販薬の使用が勧められるのは、はっきりとした基礎疾患のない慢性頭痛です。慢性頭痛の代表的なものとして、緊張型頭痛・片頭痛などがあります。

●緊張型頭痛:最も多いタイプの頭痛で、幅広い年代でみられる。長時間のデスクワークや運転、眼精疲労などにより肩や首の筋肉が過度に緊張して、その結果血行が悪くなり痛みが起こる。ストレスも多く関与している。

痛みの特徴:後頭部から首にかけて痛むことが多く、頭重感と首・肩・背中のこりが特徴的な症状。「締めつけられるような感じ」や「きつい帽子をかぶったような感じ」。

お薬は・・・非ステロイド性解熱鎮痛剤(NSAIDs)で対応します。特にイブプロフェンとカフェインの合剤や、アスピリン・イブブロフェンの単剤が有効です。

●片頭痛:比較的女性に多く見られるタイプの頭痛で、発作的にひどい頭痛があらわれ、数時間から長い場合は数日間続きます。脳の血管、神経の炎症や、脳内物質が関係していると考えられていますが、原因はまだはっきりとわかっていません。

痛みの特徴:片側、両側のこめかみ付近が脈に合わせてズキンズキンと強く痛む。「頭を動かすと痛い→他の頭痛と区別する際のポイント」、「吐き気や嘔吐をともなうことがある」、「音や光によって痛みが増すこともある」、「あまりの痛さに寝込んでしまう」。

お薬は・・・アスピリン・アセトアミノフェン・カフェインの合剤(AAC処方)が第一選択となります。

●群発頭痛:頻度は低いものの、20~40代の男性に多く見られるタイプの頭痛です。

痛みの特徴:強い痛みが特徴で、夜中や明け方に突然起こることもあります。「目がえぐられるような痛み」、「バットで頭を殴られたような痛み」

お薬は・・・医師による治療が必要となるため、受診することをお勧めします。

☆今まで経験したことのな激しい頭痛をおぼえる場合は、くも膜下出血や脳腫瘍などの重大な病気の可能性があります。すぐに受診することをお勧めします。・・・突然の激しい頭痛、強い吐き気やめまい・ふらつきなどを伴う頭痛、痛みがどんどん強くなる場合、もうろうとしたり意識障害がみられる場合、手足がしびれる場合、言葉が出にくくなる場合など。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

夏に最も問題となるアレルゲンはダニです。ダニそのものだけでなく、ダニのフンや死骸などは、アレルギー性鼻炎や喘息の原因になります。また、ツメダニと呼ばれる刺咬性のあるダニが刺したときの分泌物(唾液)は、アレルギー性皮膚炎を発症させることもあります。

【主な原因はヒョウダニ】世界に何万種類もいるといわれているダニの中で、アレルギーの原因になる主なものは、ハウスダストの中にいるチリダニ科の「ヤケヒョウダニ」と「コナヒョウダニ」という種類です。このダニは人を刺したりはしませんが、死骸やフンの中に含まれるダニのタンパク質がアレルゲンになり、喘息や鼻炎などのアレルギー症状を引き起こします。主に畳やじゅうたんなどの床表面近くやベッド、布団などの寝具に生息し高温多湿を好み、梅雨時から秋口にかけてよく繁殖しますので、アレルゲンもその時期に多くなります。

【温度・湿度対策】ダニは体内の水分が失われやすい構造になっていて、増殖には湿度が絶対条件です。ダニの増殖は気温25~30℃、湿度60~85%が適し、湿度50%以下になると激減します。そのため、夏場は冷房で室内の温度を下げるよりも除湿が効果的といえます。

【冬布団のしまい方】冬布団が押入れにしまわれている夏場はダニにとって繁殖の時期です。きちんとしまわないと付着した人のフケや垢をエサにして繁殖し、何度も世代交代を繰り返します。そして、ダニの繁殖時期を過ぎた冬に押入れから布団を出すと、溜まっていた大量のダニの死骸や排泄物がアレルゲンとなり、ダニの少ない冬場でもアレルギー反応を起こすことになります。天日干しではダニを直接殺すことはできませんが、布団から水分を取り、ダニの生育を抑え数を減少することができます。冬布団をしまう前には良く干し、掃除機をかけましょう。

【ダニを減らすチェックポイント】ダニを繁殖させない室内環境を心がけ、アレルゲンを除去する掃除の対策など下記のことに気をつけましょう。●掃除/排気循環式や目の細かいフィルター付き掃除機などを使用し、1回20秒/㎡の時間をかけ、週2回以上掃除をする。●喚起/冷暖房中でも時々窓をあけて通気をよくする。●寝具類/ダニを通さないように布団やマット、枕にはカバーをし、カバーやシーツの洗濯はまめにする。

※資料:日本新薬、日本アレルギー協会

      ~薬剤師 鳥居英勝~

よく耳にするコラーゲンですが、そのコラーゲンには様々な効果が期待されています。

①ひざ痛への効果:変形性膝関節症は、クッションの役割をしている軟骨が擦り減ってしまい、骨と骨がぶつかることが原因で起こります。コラーゲンが50%を占めている軟骨がクッションの役割をしているため、コラーゲンが減少すると骨も弱くなってしまいます。また、膝を支えている腱や靭帯や筋肉でもコラーゲンの減少から膝が不安定になり、慢性の痛みを起こします。

②美容への効果:コラーゲンが減少してしまうと、お肌にも影響が出てしまいます。お肌の真皮の70%を占めているのがコラーゲン。網目状に張り巡らされたコラーゲンが水分を保ち弾力を産み出しています。コラーゲンが減少するとハリや弾力が失われ、シワや老化の原因になってしまいます。

③血管への効果:血管の外膜にはコラーゲンが含まれていて、血管の弾力ややわらかさを保つ役割を担っています。コラーゲンの新陳代謝が低下すると、動脈硬化にも繋がってしまう恐れがあります。

④骨への効果:骨は、ビルの鉄筋のようにコラーゲン繊維が網目状に張り巡らされ、そこにカルシウムとリンのアパタイトがコンクリートにように沈着した構造をしています。しかし、コラーゲンが不足するとしなやかさにも欠け、硬くても折れやすいもろい骨になってしまいます。骨にカルシウムを補給すると同時に、骨組みとなるコラーゲンをしっかり摂りましょう。

※ %は有機物に占める割合を示します。

Point:ビタミンCはコラーゲンの合成に欠かせません。コラーゲンを摂取する際はビタミンCも一緒に摂りましょう。またコラーゲンは吸収の良いペプチド化されているものがお勧めです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~