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ビタミンC・ビタミンEや、魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸は、細胞が酸化されるのを防ぐことが知られています。それらを多く含む食材は、果物や魚。

多くの臨床データより、果物や魚を多く食べる群と、あまり食べない群とで比較すると、肺の機能に明らかな差があることが分かっています。

肺は、多くの抗酸化物質による防御網が生まれもって存在する器官。喘息などの呼吸器疾患がある場合には、抗酸化物質の需要が増し、それを補完するのに先ほどの栄養素がより必要になるとのこと。

喘息や慢性気管支炎の持病がある場合はもちろんのこと、肺の機能を正常に保つためにも、果物や魚を積極的に摂ると良いようです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

アブラナ科の野菜に含まれるスルフォラファンという化合物が、喘息やアレルギー性鼻炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった病気につながる呼吸器の炎症を防ぐのに役立つとのこと。

たとえば、ブロッコリースプラウトを摂取すると、摂取しない場合と比べて、鼻腔細胞において抗酸化酵素が2~3倍に増加。これにより炎症のプロセスに対して保護作用を示し、あらゆる呼吸器疾患における有効な治療法となる可能性があるとのこと。

汚れた空気やタバコの煙などの刺激は、鼻をはじめとして気管支や肺に炎症をもたらします。刺激が強く慢性的だったり、体質がアレルギーだったりすると重大な疾患につながることも。呼吸器に自身のない方はアブラナ科の野菜を積極的に摂ると良いようです。~HealthDayより~

      ~薬剤師 鳥居英勝~

加齢性黄斑変性(AMD)は、65歳以上の人における失明の主な原因となる疾患。AMDは、網膜がはがれ視野の中心がぼやけるほか、人の顔の識別や読書、運転などが困難になる。治療法はないが、場合によってはレーザー治療で視力低下を遅らせることができる。

研究では、ビタミンB群(ビタミンB6・葉酸・ビタミンB12)を組み合わせたサプリメントを摂取した群では、7年後のAMDのリスクが3分の1以上減少したとのこと。

ビタミンB群の摂取は、喫煙の回避と共に、早期AMDを減少させる可能性のある方法として注目されてる。~Archives of Internal Medicineより~

       ~薬剤師 鳥居英勝~

ビタミンCの摂取量を増やすと男性の痛風リスクを下げるのに役立つとのこと。

約4万7千人を対象に20年以上にわたって行われた研究によれば、食事やサプリメントを通じて摂取していたビタミンCが1日250mg未満の人に比べ、500~999mgの人では痛風のリスクが17%、1000~1499mgの人では34%、1500mg以上の人では45%、それぞれ減少していた。また研究チームは、ビタミンCの摂取が500mg増えるごとに痛風リスクは17%低下すると試算している。

研究チームによると、ビタミンCが尿酸値を下げたことによるのではないかと述べている。尿酸は、痛風とかかわりのある痛みや炎症、腫れをもたらす結晶状の堆積物を形成する。ビタミンCは腎臓からの尿酸の再吸収に影響を及ぼし、腎臓の働きを加速させたり、炎症から保護したりする役割があり、これらが総合的に痛風の発症を抑制していると思われる。

ボストン大学医学部の研究チーム・ヒョン博士は、『ビタミンCの摂取に関連する総合的な安全性の側面を考えると、特に今回の研究における摂取範囲においては、ビタミンCの摂取は痛風の予防に有効な選択肢となる』と述べている。~Archives of Internal Medicine誌3月9日号より~

      ~薬剤師 鳥居英勝~

貧血の2/3を占める鉄欠乏性貧血。体の中から活発に動き出す春先は多くの血液が必要になり、貧血を訴える方も多くなります。中でも鉄の欠乏を原因とする鉄欠乏性貧血が非常に多く見られるようになります。

鉄欠乏性貧血とは?/日常の食事からの鉄分摂取不足および消化管からの鉄の吸収障害による鉄欠乏で、ヘモグロビンが減少することで現れる症状です。

①前潜在性鉄欠乏=不足する血清鉄を、肝臓に蓄えられた鉄で補っている状態・・・自覚症状なし②潜在性鉄欠乏=肝臓に蓄えられた貯蔵鉄もなくなり、血清鉄が不足している状態・・・自覚症状なし③軽度の鉄欠乏性貧血=さらに進んで骨髄でヘモグロビンができず、ヘモグロビン鉄が減少した状態・・・めまい・疲労感④重度の鉄欠乏性貧血=細胞の代謝がうまくいかずに、細胞組織鉄が減少した状態・・・頭痛・口内炎・動悸・息切れ

鉄欠乏性貧血は、健康な血液の原料になる良質のアミノ酸製剤などを服用すると症状が和らぎます。貧血の程度にもよりますが、ヘモグロビン鉄が増加して貯蔵鉄が養われるまで半年位しっかり服用することをお勧めします。

※レバコール=天然のアミノ酸製剤(鉄分はもちろんビタミン、ミネラルをたっぷり含んでいます。)

      ~薬剤師 鳥居英勝~

骨の栄養といえば「カルシウム」が思い浮かびますが、もうひとつ大事なものがコラーゲンです。

コラーゲンは皮膚に弾力を与え、骨に粘りと強度をもたらす線維状のタンパク質。骨を鉄筋コンクリートに例えると、鉄筋にあたる部分がコラーゲン、コンクリートにあたる部分がカルシウムです。

しっかり食事をしていれば、お肉や魚から取ったタンパク質が消化吸収されてアミノ酸となり、このアミノ酸を材料に体内でコラーゲンが作られます。ところが、最近はきちんと食事を摂らない人が多くなったこともあり、若くても骨折する人が増えています。お肌にはりをもたらし骨も同時に強化するために、タンパク質をしっかり摂りましょう。

食事の量が少ない方には、効率よくコラーゲンを摂取できる発酵コラーゲンペプチドがお勧めです。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

近年、睡眠に関しての悩みを訴える方々が増えています。自律神経の乱れ、生活環境の変化に伴う精神的ストレスなど考えられる原因は様々です。また一年の間でも特に3月、4月は新入学・新社会人生活のスタート、引越しなど生活環境の変化が多くなり、普段なんともない方でも不眠になる方がいらっしゃいます。

不眠とは睡眠障害の1種で、夜間の睡眠トラブルのために昼間の日常生活に支障をきたす状態が続くことをいいます。24時間社会と呼ばれる現在、不眠の悩みを抱えている方は少なくありません。しかし、「不眠」と一言でいってもその原因や種類はさまざまです。不眠の種類を症状により大きく分けると、次の4つに分けられます。

<症状による不眠の分類>①入眠障害・・・床についてもなかなか眠れない②中途覚醒・・・夜中に何度も目が覚める③早朝覚醒・・・朝早く目が覚め、そのあと眠れない④熟眠障害・・・ぐっすり眠った感じがしない

不眠の症状はその原因を排除したり、生活習慣を見直すだけで改善されることもありますが、効果がみられない場合は睡眠改善薬などを用いて治療を行います。医療機関の治療では主にベンゾジアゼピン系の睡眠薬が用いられます。穏やかに眠りに導く効果の他に、不安を和らげる効果、筋肉の緊張をほぐす効果があり、薬によってそれぞれ発揮する効果が異なります。また、薬の効果がなくなる速さにより長短時間作用型、短時間作用型、中間作用型、長時間作用型の4種類に分類されています。

それに対し、一般用医薬品の睡眠改善薬は主にジフェンヒドラミン塩酸塩製剤と生薬製剤です。ジフェンヒドラミン塩酸塩製剤は就寝前に服用することで効果を発揮しますが、15歳未満の小児・妊婦・授乳婦の方は安全性が確立されていないため服用できません。また、抗コリン作用を併せ持つため緑内障、前立腺肥大の方にも注意が必要です。一方、生薬製剤は飲んですぐに眠くなるわけではなく、毎日服用することで自然に近い睡眠が得られるようになります。症状からの使い分けを簡単にまとめると下記のようになります。

<症状からの使い分け>ストレスや心身の疲れが原因で寝つきが悪く、眠りが浅い場合(主に入眠障害)⇒ジフェンヒドラミン塩酸塩、酸棗仁湯。精神不安があり、高血圧の随伴症状として起こる不眠⇒柴胡加竜骨牡蠣湯。神経が高ぶり、緊張やイライラがあるような状態で、寝つきが悪い場合、眠りが浅い場合⇒抑肝散加芍薬黄連。

この他にも、脳をリラックスさせる栄養成分であるギャバ(γーアミノ絡酸)などの健康食品も自然な睡眠を得るのに役立ちます。

なお一般用医薬品の睡眠改善薬の適応は一過性の不眠(海外旅行による時差ぼけなど)で、1週間を超えない範囲とされています。したがって、日常的に不眠の症状がある方は医師の診療を受ける必要があります。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

疲れるとなぜ甘いものが欲しくなるのでしょうか?・・・それは、身体がエネルギー補給を待っているからです。タンパク質などは、体内でいったん糖に変えられてエネルギーとなります。甘いものに多く含まれる糖分は即効性があり、素早くエネルギー不足を解消します。

疲れによいビタミンは?・・・ビタミンB1(豚肉・ニンニク・玄米など)/ビタミンB2(卵・牛乳・ほうれん草など)/ビタミンB6(魚・鶏肉・バナナなど)/ビタミンB12(レバー・貝・牡蠣・チーズなど)。それぞれが細胞の代謝にかかわる酵素の働きを助け、疲労の解消に役立ちます。

これから春にかけての季節の変わり目には、気温差などから体調をくずしがちで体力を消耗しやすいものです。疲れ解消の基本は食事と休息。毎日の生活を整えてみてはいかがでしょうか?

      ~薬剤師 鳥居英勝~

ラクトフェリンは、哺乳動物の乳に多く含まれる多機能タンパク質。人間の母乳では、特に初乳に多く含まれています。鉄イオンと結合する性質があることから、ラクト(乳)フェリン(鉄)と名付けられました。

ラクトフェリンは、「内臓脂肪を低減させる効果」を持つとされており、健康的な食習慣を無理なく長続きさせてくれるサポーターとして注目されています。また、「腸内環境を整える」作用も明らかにされており、悪玉菌の増加による便通の乱れ・大腸の病気・ガン・アレルギー・免疫力低下を改善する働きが期待されています。さらに、小腸で免疫細胞を刺激して、体内でアレルギーの要因となる物質を発生しにくくする機能があるとされており、花粉症などの改善も期待されています。加えて、アレルギー要因物質が体内に侵入するのを防ぐ働きもあり、これにより花粉やハウスダストなどによるトラブルを軽くできるとされています。

こんなうれしい機能を持つラクトフェリンですが、通常の食事で摂るのは非常に困難な成分です。ラクトフェリンは搾りたての生乳に多く含まれていますが、熱に弱く壊れやすいので、加熱殺菌される過程でほとんどが失われてしまいます。しかもラクトフェリンは胃酸や酵素にも弱いため、食べ物として口から摂取しても消化の段階で破壊されてしまい、効率よく吸収できません。そのため、ラクトフェリンは「胃酸で溶けずに腸で溶けるように設計されたサプリメント」で摂るのが良いでしょう。

☆ラクトフェリンの多彩な機能☆抗菌・殺菌作用/病原性大腸菌やO-157、ブドウ球菌、ピロリ菌などは、鉄分がなければ生きていけません。ラクトフェリンは鉄イオンと結びつく性質があるので、これらの有毒な細菌から鉄分を奪い、菌の増殖を抑えて死滅させる働きがあります。骨量増強/エルダー世代の女性が気になる「骨粗鬆症」。ラクトフェリンには骨量を増やす働きがあることがわかっています。歯周病菌の毒素対策に/いまや成人の80%がかかっているともいわれる歯周病。歯周病菌への抵抗力は、年齢を経るごとに低下していきます。ラクトフェリンは歯周病菌が生成する毒素を解毒して歯周の健康を保つ働きがあります。エイジングケア/活性酸素が過剰に増えると、細胞を傷つけることがわかっています。ラクトフェリンはこの活性酸素を抑える作用があり、正常な細胞が傷つけられないように働くので、エイジングケアに役立ちます。免疫細胞の活性化/生後間もない赤ちゃんが元気に育つための免疫力は、お母さんの初乳に含まれるラクトフェリンが関係しています。最近の研究では、免疫力の要である「NK細胞」をラクトフェリンが活性化させることも確認されています。

      ~薬剤師 鳥居英勝~

風邪を引いたときの食事のポイントは、エネルギー代謝に必要な栄養素とエネルギー補給に重点をおき、            消化のよいものを摂るようにするのがポイントです。水分補給も忘れないようにしましょう。

風邪をひいて熱が出ると、基礎代謝量が増加します。一方で食欲不振などでいつのもように食事が摂れない          場合は、エネルギー摂取量は減少します。                                                 体力を回復させ、風邪のウィルスへの抵抗力をつけるには少量でも必要な栄養素とエネルギー補給が大切です。       同時に、安静にして保温することも大切です。

食事のポイント                                                                  ○エネルギーとタンパク質補給:発熱時には、エネルギーの消耗だけでなく身体のタンパク質もいつもより分解が        進みます。すぐにエネルギー源になる炭水化物(糖質)とともにタンパク質の補給が大切です。                   ○ビタミン補給:風邪のウィルスに対抗する白血球の働きを助けるビタミンC、鼻やノドの粘膜を保護するβーカロテン      (ビタミンA)、エネルギー代謝に必要なビタミンB1などを摂ることを心がけましょう。                         特にビタミンCとB1は水溶性ビタミンで身体に蓄積されないので、できるだけ毎食摂るようにしましょう。             ○水分補給:とくに、発熱時には発汗により水分も失われるので水分補給も大切です。

消化の良い食材・調理法で、炭水化物・タンパク質・ビタミンが摂れるものを組み合わせて摂りましょう。             嘔吐があるときには、症状が治まるまで絶食とします。胃腸の調子が悪いと感じたり、下痢があるときにはおじやより     は白粥から始めましょう。油を使用した料理や脂肪を含む食材は消化に時間がかかるので避けましょう。

各栄養素を多く含む食材は次のようになります                                               炭水化物・・・おかゆ、うどん、パンなど                                                    タンパク質・ビタミンB1・・・卵、白身魚、鶏肉、豆腐、乳製品など                                    ビタミンC・βーカロテン・・・青菜・ブロッコリー・ニンジンなどカラフルな野菜、ジャガイモ、果物など

☆のどが痛いときは・・・湯豆腐、茶碗蒸し、スープなど、のど越しの良いもので、食べられそうなものを食べましょう。       また、塩辛い味付け、酸味の強い物は控えましょう。

☆熱があるときは・・・風邪のときは、身体を温めることが大切ですが、熱があって身体が熱いときは、冷たいものの方      が食べやすいこともあります。プリン、ヨーグルト、フレッシュジュースなどもお勧めです。

☆しょうが湯もおすすめ・・・身体を温めたいとき、のどが痛いとき、あまり食欲がないとき、まずは手軽にしょうが湯を飲む    のもおすすめです。昔からある民間療法ですが、風邪にもやさしい材料でできています。

背中がぞくぞくして、風邪かなと感じた時にすぐに葛根湯を服用すると風邪の回復が早くなります。                  葛根湯は肩こりや肩こりからくる頭痛にも使えるので、ご家庭に1つ置いておくと良いでしょう。

      ~薬剤師 鳥居英勝~