いま、体がどうしようもなくだるい慢性疲労性症候群をもっている患者がいたとしよう。彼の苦しみは、現在の西洋医学の血液検査や化学検査では、細胞や成分の数値の変化としては現れ
ない。でも、患者はつらく、苦しい。病気を持っている個人であることは疑いない事実である。そのとき西洋医学はなすすべを知らない。数値、すなわち細胞や分子に還元した指標に現れない場合は、医療の対象にならない。
 また、現代医療では治療法のない難病でも事情は同じだ。患者の苦しみは数値では示され
ない。患者全体が病気の現われなのだ。部分である数値を治療対象としたのでは、患者の苦しみは救えない。
 それに対し、代替医療は数値に表れない患者の苦痛を救うために活躍する。要素しか見えない西洋医学に対して、個体の疾患として病気を考えるという観点を持っているからである。
 東洋医学や伝統医学を含めた、代替医療の対象は、数値で表すことのできない、病気を持った患者個体である。病気の徴候を数値に頼らない全体の関係性の中に発見し、それを実践する所にあるのではないだろうか。東洋の医学、たとえば漢方や、アーユルヴェーダの診断や治療法
には、その理論と実践の良い例がある。

〜多田富雄 補完代替医療の理念より〜


医療は科学であるからには、治療や診断に西洋医学的な見地が必要なことはいうまでもありません。しかし、正しい身体の状態の把握は、単なる数値だけではない、視診・触診を始め全身を診ることによって得られるものです。そして、コンピューターや数値には現れない患者の苦しみを発見し、総合的な見地からそれを救わなければならない。そのためにこそ東洋医学の存在価値はあると思います。

私共は、漢方療法と鍼灸療法を柱とし、栄養学など最新科学の利点を合わせて用い、健康維持のためのご提案と病の治療に取り組んでおります。そして、皆様が健やかさを保つためのお力になれるよう、お一人お一人と心を込めて向き合って参ります。
これからも健康で暮らしたいとお考えの方、気になる症状でお悩みの方、是非一度ご相談下さい。